2013 Fiscal Year Annual Research Report
飲水と経口陰性造影剤を併用した磁気共鳴尿路造影の臨床的有用性の検討
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23591796
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
後閑 武彦 昭和大学, 医学部, 教授 (60201498)
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Keywords | MRI / 尿路造影 / 経口陰性造影剤 |
Research Abstract |
磁気共鳴尿路造影(MRU)は経静脈性造影剤を使用せず、X線被曝もない侵襲の低い尿路画像診断法である。しかし、消化管内に存在する消化液などの液体からの信号が、アーチファクト、画質低下を生じ、尿路の評価が困難になるという欠点がある。MRIで消化管内の液体の信号を消す方法として陰性経口造影剤(ボ-スデル内用液10:Bothdel Oral Solution10:製造販売元は株式会社 明治、販売元は協和発酵キリン株式会社)を服用する方法があり、これはMRCP(核磁気共鳴膵胆管造影)では既に日常診療で使用されている。この経口造影剤と飲水を併用したMRUが画質、尿路描出を向上させ、尿路病変の診断を向上させるかどうかを検討する。 方法:尿路疾患が疑われるか尿路疾患の存在する20歳以上の患者でMRI検査の適応があると考えられる症例に、前処置なしでHASTE 法、RARE法でMRUを撮像後、400mlの飲水と経口陰性造影剤250mlを投与し、30分後にMR尿路造影を同じ撮像条件で撮像した(同一患者)この陰性造影剤投与前後のMRUにおいて腸管信号が除去された程度の評価、画質が改善された程度の評価、尿管描出の程度の評価、病変の存在診断及び広がり診断を行った。 結果:患者の内訳は35歳から75歳で平均年齢は65歳(男女比:11:10)。水腎症6例、膀胱癌術後3例、尿管癌術後1例、尿管癌2例、尿路奇形2例、尿路腫瘍疑い6例、尿路結石1例であった。腸管信号の除去、病変の診断については4段階評価、画質については信号強度比、尿管描出は尿路を6つのセグメントに分け評価を行った。陰性経口造影剤と飲水を併用したMRUは併用しないMRUよりもすべての項目において有意差を持って優れていた。この方法は尿路を評価するMRUの診断能を高めるものであり、臨床的に有用性があると考えられた。
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