2011 Fiscal Year Research-status Report
軽度認知機能障害から認知症への移行を臨床情報と画像所見から予測する識別器の作成
Project/Area Number |
23591797
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
橋本 順 東海大学, 医学部, 准教授 (20228414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 文均 東海大学, 医学部, 教授 (90129726)
彌冨 仁 法政大学, 理工学部, 准教授 (10386336)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 軽度認知機能障害 / 脳血流SPECT / MRI / 画像統計解析 / 識別器 |
Research Abstract |
平成23年度においては、吉井と橋本による臨床データの収集、画像処理と彌富による識別器プログラムの作成に分かれて研究が行われた。 臨床データの収集においては、過去4年間の軽度認知機能障害例の臨床症状、高次脳機能検査所見、MRI検査所見、脳血流SPECT検査、心臓交感神経機能検査(MIBG)所見からなり、MRIと脳血流検査については通常の画像処理の他に画像統計解析を行い(VSRAD法ならびにeZIS法)、それらの結果をデータに加え、一覧表にして整理した。 識別プログラムの作成は法政大学理工学部において設置されているワークステーション上において行われた。認知症に移行するかそうでないのかを識別するためのバイナリクラス識別器のためのプログラミングをはじめに行った。識別器は今年度においては線形モデルとlogistic regressionモデルをベースにしたものを作成し、上記のデータを識別器にかけて診断能をチェックした。結果として識別能は概ね良好であったが、症例数に比較して選択される特徴量が多く、識別器が過学習になっている可能性が示唆された。認知症の症例データはまだ例数が不足しているため、上記プログラムをテストするためにすでに持っている黒色腫の良悪性を鑑別する研究、褥創の予後についての研究や周術期心事故予測の研究で使用したデータを試験的にかけてみたところ、概ね良好な結果が得られた。今後はさらに症例数を増やして検証する必要のあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度にデータを収集した軽度認知機能障害例においては、移行した認知症の原因疾患に偏りがあり、アルツハイマー病が多く、他の疾患への移行例が比較的少なかった。精度の高い識別器作成のためには今後さらに蓄積症例を増やしていく必要があると考えられた。 また平成23年度においては震災の影響でいくつか発表を予定していた学会が中止になり、当初の予定通りの学会発表を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
精度の高い、言い換えれば汎化性の高い識別器を作成するために、前述のごとく対象例を増やし、さまざまな疾患へ移行する軽度認知機能障害の症例を蓄積することが最重要課題となる。 さらに平成23年度末から数ヶ月間供給が滞っていたために購入ができていなかった放射性医薬品であるECDの供給が7月頃に再開される予定であり、これを購入し、認知機能正常例での脳血流データベースの蓄積を増やし、識別器の基礎となる画像統計解析自体の精度向上をはかる予定である。 次いで、平成23年度では線形モデルとlogistic regressionモデルをベースにしたバイナリ識別器を作成したが、今後はさらにサポートベクターマシーンをベースにしたバイナリ識別器や人工ニューラルネットワークをベースにしたマルチクラス識別器の作成を試みる予定である。 震災の影響などで23年度は予定していた学会発表ができなかった部分もあり、今後成果を医学系あるいは工学系の学会で随時発表していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
製造過程でのQCの問題で平成23年度末から現在にわたり数ヶ月間続いている脳血流評価用の放射性医薬品(ECD)の供給が7月頃に再開される見通しがあり、それに併せて購入を計画している。 画像処理や識別プログラム作成用に用いるソフトウエアやコンピュータ関連部品、画像データを整理、保管するための記憶媒体の購入を次年度も計画している。 学会発表のための旅費や学会参加費、英語論文投稿のための校正にかかる費用の支出を予定している。
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Research Products
(7 results)