2013 Fiscal Year Annual Research Report
軽度認知機能障害から認知症への移行を臨床情報と画像所見から予測する識別器の作成
Project/Area Number |
23591797
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
橋本 順 東海大学, 医学部, 准教授 (20228414)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 文均 東海大学, 医学部, 教授 (90129726)
彌冨 仁 法政大学, 理工学部, 准教授 (10386336)
|
Keywords | 軽度認知機能障害 / 認知症 / 脳血流SPECT / 画像統計解析 |
Research Abstract |
平成25年度においては、吉井による臨床データの評価、臨床診断、橋本による画像処理、彌富による識別器プログラムの作成と精度評価に分かれて研究が行われた。 臨床データでは、脳血流SPECT検査が行われた軽度認知機能障害例のなかで1年以上外来でフォローされて認知症への移行の有無が判明した症例と1年以内に認知症に移行した症例が合計162例あり、これらを解析対象とした。このなかで認知症に移行しなかったものが79例、アルツハイマー病に移行したものが63例、その他の認知症に移行したものが20例であった。 識別期の入力因子の候補としては臨床背景、高次脳機能指標、脳血流SPECT検査指標(視覚的評価、局所脳血流量測定値、画像統計解析指標)からなる128の指標が網羅され、以下を鑑別する識別器を作成した。(1)認知症に移行しないのか種類を問わず認知症に移行するのか。(2)認知症に移行する場合にアルツハイマー病に移行するのかその他の認知症に移行するのか。(3)アルツハイマー病に移行する症例と認知症に移行しない症例の識別。(1)については移行年数を予測するために検査後1~5年の時点での移行の有無を鑑別する識別器を年数ごとに5つ作成した。 はじめに線形の識別器を作成した。診断精度面では脳血流SPECTで得られる指標の付加価値ならびに画像統計解析で得られる指標の付加価値をそれらを入力因子の候補に含めた場合と含めない場合とで比較することにより評価した。予測において脳血流SPECTで得られる指標には一定の付加価値が認められたが、予測精度の低い識別器については非線形の識別器も作成し、一定の精度の改善が得られた。上記プログラムをテストするためにすでに持っている皮膚画像から黒色腫の良悪性 を鑑別する研究などで使用したデータを試験的にかけ、識別プログラムの作働状況をチェックした。
|