2011 Fiscal Year Research-status Report
化学放射線療法の早期効果判定におけるbiomarker imagingの定量評価
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23591801
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
的場 宗孝 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (90288308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 裕之 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00155368)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 頭頚部癌 / 化学放射線療法 / 治療効果判定 / biomarker / MRI / diffusion MRI / PET/CT |
Research Abstract |
本年度に登録された頭頸部癌の研究対象症例数は20例で、全例で計画通りに治療前および治療開始3週間後のMRI拡散強調画像(DWI)の撮像および治療前のPET/CTの撮像が行われた。画像解析の結果、2例においてはアーチファクトの影響でDWIの解析が困難であったが、残りの18例においてはADC値およびSUVの解析は行い得た。 画像解析が可能であった18例の治療後2か月での原発巣のRECIST効果判定の結果は、CR判定が10例、PR判定が7例、SD判定が1例であった。尚、組織学的効果判定が行われたのは5例であった。SD判定された症例は内科的合併症にて根治的手術は困難との判断にて手術は行われず化学療法が継続されている。PR判定の症例はCR判定に近い腫瘍縮小が得られており救済手術は行われずに維持化学療法にて経過観察中である。 DWIおよびPET/CTの治療効果予測におけるbiomarker imagingとしての初期検討として治療前ADC値、ADC変化率および治療前SUVと治療開始3週間後の腫瘍径縮小率および治療終了2か月後のRECIT効果判定の関連性を検討した。結果、治療前ADC値、ADC変化率および治療前SUVと治療開始3週間後の腫瘍縮小率の間には有意な相関は得られなかった。また、RECIST効果判定のCR判定とPR判定において、治療開始3週間後の腫瘍径縮小率には両者間で有意差は見られなかったが、ADC変化率には両者間で有意差は見られ、CR判定はPR判定に比較してADC変化率は有意に高値を示した。しかし、治療前ADC値および治療前SUVには両者間で有意差は見られなかった。少数例での初期検討ではあるが、ADC変化率の上昇は化学放射線療法後の初期効果判定を予測するmarkerになり得る可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象症例数の登録はほぼ予定数に達しており、全例で研究計画通りのDWIおよびPET/CT撮像が行われている。また、画像解析も順調に進行している。現状では登録症例の内1例の脱落症例はあったが、他は計画通りの経過観察が行えている。 初期検討ではあるが、ADCおよびSUVとRECIST治療効果判定との関連性の検討も行っており研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在登録された研究対象症例の経過観察をしっかりと行っていくこと。経過観察期間中の原発巣の再発や後発性リンパ節転移や遠隔転移などの診断をしっかりと行う必要がある。なるべく組織診断にて確診が得られるように計画する。 治療後の経過観察で局所再発およびリンパ節転移の出現を予測するbiomarker imagingとしてのDWIあるいはPET/CTの有用性を検討をする。DWIの解析には治療前ADC値やADC変化率などの幾つかのADCパラメーターの設定を行い画像解析を進める予定である。さらに、病巣の1H-MRスペクトロスコピーの定量化を行うための体制を整える予定である。今後、DWIに加えて1H-MRスペクトロスコピーの定量化を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
安定した1H-MRスペクトロスコピーの測定を行うための患者固定具や、アーチファクトの低減を目的とした補償器具の購入を予定している。また、画像解析用のコンピューターソフトやデータ保存のためのハードディスクなどの消耗品の購入も予定してる。さらに、登録症例の中で手術切除症例がでた場合、in vitroでの検討を行うためのガラス器具類や試薬類などの購入を予定している。
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Research Products
(4 results)