2012 Fiscal Year Research-status Report
マルチスライスCT透視を利用した穿刺ナビゲーションシステムの構築
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23591803
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
辻岡 勝美 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 准教授 (80193176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 良一 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (80319251)
吉村 公美子 名古屋大学, 医学部, 教務職員 (90419151)
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Keywords | マルチスライスCT / CT透視 / 肺生検 / 被曝線量 / プロジェクションマッピング |
Research Abstract |
本研究はマルチスライスCT装置の多断面CT透視技術を用いて肺生検等のneedle aspiration術を行う場合の刺入精度の向上、被曝低減のために表示断面に色情報を加えるものである。この方法により、従来の多断面CT透視では複数のCT画像を同時に観察し、刺入針の三次元的位置を認識しなければならなかったものが、色情報により単一のCT画像の観察のみで可能となるものである。研究ではこの技術の発展、評価を行なうために各種の検討を進めてきた。 平成24年度、我々はCT透視時の表示における被曝線量の評価、表示の遅れ時間の測定、刺入針のアーチファクトおよび形状変化について研究を行った。また、新しいCT透視の表示技術として被写体である人体に直接CT画像を投影する方法について検討した。 CT透視時の表示における被曝線量の評価は従来の多断面表示と我々の提案する色情報を付加した表示について検討を行った。その成果は平成25年3月にオーストリア・ウィーン市で開催されたECR2013にて報告した。表示の遅れ時間の測定についてはCT装置のコンソール上にビデオカメラで撮影した刺入針を挿入表示して測定するという新しい評価手法を開発した。その成果は平成25年4月に横浜で開催された日本放射線技術学会総会学術大会にて報告した。刺入針のアーチファクトおよび形状変化については実際に臨床使用されている数種類の刺入針を用いて評価を行った。このとき、インジェクターを利用して動きに対する評価も行なった。その成果は平成25年4月に横浜で開催された日本放射線技術学会総会学術大会にて報告した。CT透視の新しい表示技術の検討では液晶プロジェクタを用いて人体にCT画像を投影することを試みた。その手法はプロジェクションマッピングの技術を応用したものであり、液晶プロジェクタの台数や配置、表示手法、利用するファントムについても検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では多断面CT透視における色情報付加による臨床的な効果、被曝線量の低減、CT透視技術の性能評価が主たる目的であった。平成24年度は被曝線量の評価、CT透視の遅れ時間の評価、アーチファクトや表示形状の評価を行った。それらの評価の結果、我々の提案するCT透視に色情報を加えるという新技術は被曝低減、刺入精度の向上に有効な方法であることが確認できた。また、それらの成果について国内外の学会で報告することができた。 これら、当初に計画した検討内容に加え、我々は多断面CT透視での刺入術について検討を進める中で表示技術に関する新技術を考案した。それは、新しい映像表現法であるプロジェクションマッピングを応用したものである。従来のCT透視では術者は観察モニターと被写体である患者を交互に観察しながら検査を進めている。それをプロジェクションマッピングの技術を利用し、患者の体表面に直接投影することにより、視点の移動が少なく、より高精度で安全な刺入術が可能となるものなる。研究では3台の液晶プロジェクタを利用して体表面に投影する技術、投影座標のキャリブレーション法、刺入針のナビゲーション等の検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
刺入精度の検討、被曝線量の評価については新しくファントムを用いた実験を行なう。また、臨床例をデータベース化して視覚評価の実施を行なう。新しい表示技術の検討では表示プログラムの開発とともにその評価も行なう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでの線量評価ではCT装置上の表示によって評価を行なってきた。しかし、実際の臨床では多様な大きさ、形状での被曝評価が必要となり、ファントムを用いた実測を行なう必要がある。被曝線量測定のために線量計およびファントムを購入する。
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Research Products
(3 results)