2012 Fiscal Year Research-status Report
モデルマウスPETによる脳循環・神経活動変化とアミロイドβ沈着の因果関係解明
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23591809
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
関 千江 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (40443080)
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Keywords | 放射線 / 脳神経疾患 / 痴呆 / 老化 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の中心病理であるアミロイドβ蛋白(Aβ)沈着の始まりはAβ分泌と除去のバランスの崩れとも捉えられる。本研究では、アミロイド前駆体蛋白遺伝子改変マウスを対象とし、小動物PETで脳血流代謝・アミロイド沈着を長期的に追跡することで、慢性的な脳血流低下や神経活動がAβ沈着に及ぼす影響を明らかにする。さらに、抗アミロイド療法において脳血流の変化がAβ除去効果に及ぼす影響を検討する。 前年度の若年の野生型マウスを用いた片側脳低灌流モデル作製によるモデルの妥当性をMRIによる脳血流量変化の推移で確認を行い、PET用Aβ沈着評価マーカー[11C]PIBの脳内取り込み定量評価で低灌流部位の検出が可能なことを示した。 平成24年度は、上記野生型モデルマウスから摘出した脳の病理染色を行い、低灌流による神経脱落など虚血性神経変性の評価を行うとともに、脳内のAβ沈着が[11C]PIB-PETで検出可能な程度に進行した高齢のアルツハイマー病モデルマウス(アミロイド前駆体遺伝子改変マウス, APP-Tgマウス)で、PIB-PETによるAβ沈着評価およびMRIによる脳血流量測定を行った後片側低灌流モデルを作製した。作製したモデルマウスはMRIにより虚血性脳梗塞が無いことを確認し、4-6か月間、PIB-PETとMRIを2-6週間の間隔をあけ実施した。最後のPET撮像の後、脳摘出を行い、アミロイド染色を行い、PIB-PETによるAβ沈着評価の整合性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルツハイマー病モデルマウスでの片側低灌流モデル作製を行い、4ヶ月から6ヶ月に渡って[11C]PIB-PETとMRIによる経時的な老人斑形成と局所脳血流量の推移を観察することが出来た。モデルマウスの中で飼育中または実験途中で死亡したケースもあったため、年度をまたいで実験を継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、APP-Tgマウスでの片側低灌流モデル作製およびPET、MRI撮像を引き続き行う。また、最終のPET, MRI撮像後はモデルマウスの脳を摘出し、アミロイド染色および神経変性の評価を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、消耗品費用として動物購入、モデル作製およびPET撮像時に必要な麻酔薬等の試薬、切片標本作製に必要な備品の購入に充てる。旅費として、日本核医学会等での成果発表にあてる。その他の経費として病理染色標本の外部機関への委託費、論文投稿の際の英文校正および投稿料に充てることを計画している。
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Research Products
(1 results)