2012 Fiscal Year Research-status Report
320列CTと二酸化炭素を用いた肝腫瘍栄養血管描出技術の開発
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23591817
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
園田 明永 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (00571051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 信一 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (30583637)
新田 哲久 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40324587)
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Keywords | 320列MDCT / CO2 / Multidetctor / Angiography / Liver tumore |
Research Abstract |
肝臓の悪性腫瘍例において、血管内治療の対象となった患者に十分な説明を行い、同意書をとった上にで、320列CTとCO2を用いてCTangioを行った。画像データー取得には320列CTの特徴であるボリュームデーター収集能を用いて肝臓全体を一度のスキャンで撮像できるようにした。術中および術後に副作用やアクシデントは認めなかった。 これにより、従来の造影剤を使用せずに腫瘍血管や腫瘍の同定にいたる可能性を示すことができた。CO2がカテーテルから肝臓の血管内に噴出され、血管内で吸収される前に320列CTのボリュームデーター撮影により、肝動脈末梢まで描出することができた。 結果として、造影剤を用いずに腫瘍への栄養血管の同定が可能であり、CTAngio後の血管内治療に有用な情報を得ることができた。 この結果は、造影剤アレルギーや腎機能低下の患者でも造影剤の使用なく腫瘍や血管同定が可能となる可能性を示し、腫瘍塞栓術や抗がん剤動注療法の効果を高める可能性がある。ただし、今回の研究では、腫瘍本体の明瞭な特定には至らなかった。これはCO2が腫瘍ないへ流入している瞬間を描出できなかったためである。可能性として、噴出CO2量の不足や速度の問題、CO2の刺激による栄養血管の収縮などが考えられた。さらに進んで栄養血管の同定にはCO2の噴出量の増加や速度の調整において追加評価が必要と思われる。今後、これらについて動物実験で追加評価していく。現時点でも、おおよその栄養血管(亜区域)は同定できるため、従来と異なり、より低侵襲な塞栓が可能であり、肝機能温存に貢献できると考える。拾得したデータをまとめ、海外の研究雑誌(Minimally Invasive Therapy & Allied Technologies)に投稿し、2013年に採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究内容を記した論文は2013年4月に以下の雑誌に掲載され、海外に広く認知された。 320-detector-row computed tomography arteriography using CO2 gas to detect malignant liver tumors. Sonoda A, Nitta N, Ushio N, Nitta-Seko A, Tomozawa Y, Watanabe S, Ohta S, Takahashi M, Murata K. Minim Invasive Ther Allied Technol. 2013 Apr;22(2):89-96
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍本体の明瞭な特定にはCO2の噴出量や速度において追加評価が必要と思われる。 それにはCO2を効率的かつ持続して噴出するカテーテルの開発および噴出量や時間のオーダーメイド化が必要と思われるため、カテーテル形状や材質の検討、血管分枝パターンによるガスの広がり方などについて検討を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在までのデータを学会などで発表し、国内外の研究者と意見を交換し、カテーテルの開発やCO2噴出量やその方法についての検討を行うための出張費として使用する。
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Research Products
(1 results)