2011 Fiscal Year Research-status Report
FDG-PETを用いた認知症の画像診断支援へのデータマイニング技術の応用
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23591818
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石津 浩一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50314224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 直三 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20196752)
山田 亮 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50301106)
池田 昭夫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90212761)
中本 裕士 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20360844)
大石 直也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40526878)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | alzheimer / MCI / FDG-PET / multivariate analysis / classifier / decision making / SVM / k-index method |
Research Abstract |
脳FDG-PET 画像を用いた認知症診断支援装置の開発にあたり、データ収集、画像解析処理、マイニング解析という3つのパートを連携させながら研究・開発を進めた。初年度である平成23年度は準備期間と位置付け、画像および臨床データの収集を先行させ、同時にFDG-PET 画像の特徴量抽出法と各種マイニング法の基礎的検討を行った。臨床例画像データの収集に関しては、京都大学医学部附属病院にて認知症研究目的で倫理委員会承認下に同意書を得て施行された脳FDG-PET 検査件数からFDG-PET 画像以外の臨床情報を元に健常者、軽度認知障害患者、アルツハイマー病患者を抽出した。各患者群50名という目標には到達していないが、健常者とMCI患者に関しては目標をほぼ達成できた。FDG-PET 画像をマイニングソフトで処理可能とするために各種画像特徴量を算出する方法論の確立を行ったが、SPMを用い各標本FDG画像を標準脳に変換し、標準脳上に設定されたAAL(Automated Anatomical Labeling)という関心領域を用いることで、全脳を116個の関心領域に分割する方法が現時点で最も精度的に好ましいと判断した。また、23年度には認知症診断支援装置に用いるマイニングソフトの利用準備も行った。SVM(サポートベクターマシン)を用いる準備を行うとともに、新たに開発されたk-index法の導入を行うとともに、そのクラス判別性能の評価を行い、結果を人工知能学会論文誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳FDG-PET 画像を用いた認知症診断支援装置の開発にあたり、データ収集、画像解析処理、マイニング解析という3つのパートごとに、達成度を振り返る。データ収集に関してはAlzheimer病患者のデータが目標の50件に達しなかったが、半数以上は収集済みであり、研究に遅れを発生させるような大きな遅延ではない。画像解析処理に関しては、画像特徴量の抽出方法を決定できたことで、当初の目標は達成できたと考える。マイニング解析に関しても、多数ある解析法の中で、SVMとk-index法による解析を用いることで良好なクラス判別精度を得られると考えられ、その解析準備に着手するところまで到達できた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、平成23年度に達成できなかったAlzheimer病患者のFDG-PET画像データ収集を、継続して行い、目標の件数まで収集する。次に、画像特徴量抽出を行うが、SPMを用いて各標本のFDG画像を標準脳に変形し、関心領域としてAALを用いることで、各FDG画像から116個の特徴量を抽出する。ここでSPMを研究代表者である石津の研究室に導入する必要がある。次に、データマイニングを行う前に、健常者・MCI患者・Alzheimer病患者をそれぞれ、無作為に2群に分割する。これはクラス判別アルゴリズムを用いて判別装置を作成するときに使用する教材データと、作成された判別装置の判別性能を評価するためのテストデータになる。これらの教材データを用いて判別装置を作成し、最終的に判別性能を評価することが平成24年度の目標となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・統計学的画像解析ソフトであるSPMを研究代表者である石津研究室のPCに導入する。このときMatLabのライセンス取得が必要となる。・追加される画像データおよび臨床データの蓄積のために、LAN接続外付けHDDを追加購入する。・平成23年度までに達成された成果、知見を国内外関連学会にて発表する。・データマイニング手法の医学領域での利用、診断支援への応用などの最新の知見を収集するために国内外関連学会へ参加する。・得られた知見を、関連学会誌に投稿する。
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