2011 Fiscal Year Research-status Report
一回・寡分割照射から通常分割照射まで適用可能な線量換算式の考案
Project/Area Number |
23591846
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
芝本 雄太 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20144719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉江 愛生 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80509258)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | LQモデル / 線量換算式 / 寡分割照射 |
Research Abstract |
LQモデルの信頼性について、培養細胞を用いた分割照射実験を施行した。EMT6マウス乳腺肉腫細胞に対して0~12Gyを1回照射し、コロニー法によって細胞生存率を求め、α/β値を算出した。この細胞の細胞周期は11時間であるため、人間の腫瘍に対する1週間を当細胞の1日に置き換えて分割照射を行った。すなわち3時間25分間隔が人間の24時間に相当すると仮定した。分割照射は2Gy x 10回を標準とし、求めたα/β値から2Gy x 10回に相当する1~5、7、15、20回分割照射の1回線量を求めた。実際にそれぞれの分割照射を施行し、コロニー法で求めた生存率を比較した。LQモデル式が正しいならば、各分割照射の効果は同じになると考えられるので、各分割照射の効果を比較した。EMT6細胞のα/β値は0.936Gyであった。この値をLQ換算式に代入すると、2Gy x 10回の照射は、7.26Gy x 1回、5.0Gy x 2回、4.0Gy x 3回、3.41Gy x 4回、3.0Gy x 5回、2.47Gy x 7回、1.56Gy x 15回、1.30Gy x 20回と等価であった。実際の細胞生存率は、10、15、20分割群でほぼ同程度であったが、7分割以下の群では10分割群の生存率を上回った。この差は分割回数が少ないほど顕著であった。同様の実験はV79細胞についても施行中である。本年度の実験の結論として、さらなる検討が必要ではあるが、LQモデル換算式は一回線量がα/β値の2倍程度の範囲までで適用可能である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は培養細胞実験を予定したが、一つの細胞系についての実験は完了し、2種類目の細胞系の実験に入っているところである。1つ目の実験の解析は順調に進んだ。これはほぼ予定通りの状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、計画書の通り、引き続き2種類目の細胞系の実験を行って完成させ、3種類目の細胞系の実験を行う。またRCRモデル、MTモデルの適合性についての検討を行う。さらに平成25年度にかけて、in vivoの実験へと進む予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定通り、実験のための物品費(消耗品費)を中心に支出を行う。海外学会で発表を予定するので、旅費にも使用する。
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Research Products
(2 results)