2011 Fiscal Year Research-status Report
肺癌治療に直結する因子としてのSUVmax定量性確立と多数の定位治療例による検証
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23591850
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
武田 篤也 東海大学, 医学部, 非常勤教員 (80296699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国枝 悦夫 東海大学, 医学部, 教授 (70170008)
藤井 博史 独立行政法人国立がん研究センター, 東病院臨床開発センター, 部長 (80218982)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 定位放射線治療 / FDG-PET |
Research Abstract |
FDG-PETは多くの悪性腫瘍にて、治療前診断、再発診断に有用で、汎用されている。特にSUVmaxは病巣集積を示す指標であり、我々も早期肺癌の体幹部定位放射線治療患者の多変量解析において、T stageをしのぎ、SUVmaxが唯一有意な局所再発の予後因子とみなしている。一方、同様の研究にて有意差なしや逆相関の結果も示されている。このような乖離の原因として、実測SUVmaxは撮像機種、腫瘍サイズ、呼吸変動、腫瘍背景等の依存があり得、この施設ごとの乖離の原因を探るには同一のファントムを使用した多施設での測定方法の検証が絶対に必要である。放射線治療において総線量は、治療効果と副作用のバランスによって決定される。再発率が高ければ、それに応じて高線量照射することにより、最適の線量を処方することが可能になるので、予後予測のみならず治療方法選択に非常に大きなインパクトを与える。 本研究では、(1)誤差要因の影響を補正する評価法を確立する。また(2)既に治療成績の蓄積されている肺癌体幹部定位放射線治療前の実測SUVmax、補正後「真のSUVmax」と治療成績との相関を調べ、その有用性を検証し、SUVmaxの標準化、多施設研究への基盤とする、ことを目的としている。平成23年度は、呼吸変動する腫瘍を模したファントムを作成した。ファントム本体は核医学ファントム実験に造詣の深い藤井と武田が担当し、呼吸移動駆動部は国枝、藤井が担当した。ファントムは既存ファントムを改造し、肺、肝臓のnon-coplanar照射による定位放射線治療に適合するように市販放射線治療用動体ファントムよりもより体軸方向に長いものとして、考えられるすべての照射方向に対応できるものとした。駆動装置はコンピュータコントロールで、周期、呼吸パターンに対応できる様な高機能のものとした。また、既にFDG-PETの有用性について論文を発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
動態ファントム作成は順調である。また、平成24年度以降の予定の一部である、FDG-PETの有用性についても、既に論文を発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床情報より補正換算式の有用性について検討する。補正換算式に必要な各因子を肺癌体幹部定位放射線治療の臨床情報、画像情報より再抽出し、不足分をデータベースに再入力する。臨床データより算出された真のSUVmaxと既に結果の出ている治療成績の相関を検証する。簡便かつ高精度な補正換算式を提示する。可能であれば、臨床的評価をも含めた先行可能な部分については計画を前倒しする事もあり得る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究打ち合わせのための国内旅費、国内学会のための旅費を予定する。その他、ソフト作成のための費用、PET-CT装置の操作に携わるボランティア技師への謝金、英語論文校正費用、研究協力者との通信費、論文投稿料予定する。
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