2012 Fiscal Year Research-status Report
パターン認識受容体シグナルを介した周術期免疫応答の解明と術後臓器不全対策
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23591858
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
木村 文夫 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70334208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 勝 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70166156)
清水 宏明 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80272318)
吉留 博之 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10312935)
高屋敷 吏 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30456024)
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Keywords | パターン認識受容体 / プリン受容体 / 重症感染症 / 臓器不全 |
Research Abstract |
本研究の目的は、過大侵襲時の免疫担当細胞の各分画 [PMN, CD4+ Tcells, CD8+ T cells, CD19+ B cells, CD56+ NK, CD14+ monocytes] について、パターン認識受容体・プリン受容体シグナルを解析し、重症感染症や臓器不全の発症機序を解明するとともに、その治療戦略を構築することにある。 平成23年度の検討では、免疫担当細胞の各分画 [PMN, CD4+ Tcells, CD8+ T cells, CD19+ B cells, CD56+ NK, CD14+ monocytes]のなかでCD14+ monocytesの術前P2X7 (ATP受容体)発現及び術後のTLR-2, TLR-4発現が術後感染症・臓器不全合併症例においてそれぞれ減弱及び増強しており(mRNA レベル (RT-PCR))、術後感染症・臓器不全非合併症例に比べ、術前免疫能の低下と術後感染の排除過程関与することが示唆された。また、CD4+ TcellsのRORγT発現が術後感染症・臓器不全非合併症例で増強を示し、術後感染・臓器不全の防御との関連が示唆された。これに対してPMNのパターン認識受容体・プリン受容体発現は非常にばらつきが大きく、2群間で有意差を認めなかった。 平成24年度にはCD14+ monocytesの術前P2X7 (ATP受容体)発現及び術後のTLR-2, TLR-4発現が蛋白レベル(FACSおよびWestern blot)でもmRNA レベルと同様の変化を示していることが確認された。このことは、CD14+ monocytesの周術期におけるパターン認識受容体シグナルが宿主免疫能(細菌感染感受性および病原体排除能)に深く関与していることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度にはパターン認識受容体・プリン受容体のタンパクレベル発現が確認されたが、細胞内シグナルの検討がやや遅れている。理由として、ASC及びNLRP3 inflammasomeのPCR測定系の安定性に問題があり、この問題は平成25年度においても引き続きprimerの変更や温度設定など、測定系の安定性を向上させ、効率的に検討を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
症例サンプル数は概ね確保されており、免疫担当細胞の分画によるパターン認識受容体・プリン受容体の発現はmRNAおよび蛋白レベルで確認することが出来た。今後はCD14+ monocytes分画における細胞内シグナル、特にASC splice variantsのmRNAおよび蛋白レベルでの検討を進めるとともに、ASC及びNLRP3 inflammasomeの細胞内局在の検討を進め、治療戦略の検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は使用計画に従い成果発表(旅費)と消耗品の購入(ELISA、細胞培養関連製品、DNA Microarray関連製品、Antibody Array関連製品、Protein/DNA Array、HPLC用カラム等)に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)