2012 Fiscal Year Research-status Report
動脈瘤壁をターゲットとした新規ドラッグデリバリーシステムの基礎検討
Project/Area Number |
23591859
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
保科 克行 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90571761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70190791)
重松 邦広 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20215966)
岡本 宏之 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (60348266)
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Keywords | Drug Delivery System / 腹部大動脈瘤 / PICsome / ナノミセル |
Research Abstract |
腹部大動脈瘤に対するdrug delivery systemの開発に際しての基礎的な知見を得るため,我々はラット腹部大動脈瘤モデルにおけるナノ粒子の特性を検討した.当初ナノミセルを用いたが、腹部大動脈瘤への選択的集積は明らかには認められなかった。そこで蛍光標識されたサイズ調節可能なナノ粒子であるpolyion complex hallow vesicle (PICsome)をラット腹部大動脈瘤モデルに全身投与することにより,ナノ粒子が腹部大動脈瘤に集積すること,その集積性が粒子サイズによって変化すること,及び中膜に集積したナノ粒子が比較的長期間残存することが明らかとなった.これらの知見から,ナノ粒子は腹部大動脈瘤に対するdrug delivery systemの有望な材料であると考えられた.現在、PICsome内に薬剤を内包する検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初ナノミセルによるドラッグデリバリーシステムの構築を検討していたが、ミセルのサイズや量のoptimizeがなかなかうまくいかなかった。そこでPICsomeを用いたことで、ラットの腹部大動脈瘤への選択的集積が確認され、同部位における最適なPICsomeのサイズ、滞留量・時間の評価もすることができた。しかし、薬剤の内包化にはさらなる実験系が必要で、まだ実現していない。
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Strategy for Future Research Activity |
PICsomeにおける薬剤内包化をめざす。現在ナノミセルにおいてエピルビシンミセルが現存するが、類似した分子骨格の薬剤からの内包を行い、徐々にドキシサイクリンなどの瘤抑制効果がin vivoで確認されている抗生物質、またスタチンなどを試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
薬剤の内包化がメインになる。そのため、ドキシサイクリン、スタチン、NSAID、などの薬剤の購入、PICsomeの購入費がメインとなる。
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