2011 Fiscal Year Research-status Report
日本人一般住民における深部静脈血栓の頻度及び地域差の調査
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23591860
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
榛沢 和彦 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70303120)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | DVT |
Research Abstract |
研究目的:東日本大震災の避難所でもDVT検診でDVTが多数見つかっている。しかしこれら震災後の避難所におけるDVT頻度がどの程度一般住民よりも高いかは不明である。そこで本研究では被災地の避難所でのDVT検診とほぼ同様に行って一般住民のDVT頻度を確かめ、震災後の避難所におけるDVT頻度が本当に高いのかどうかを確かめることができることが重要である。研究方法:研究計画に従って、被災地で行っておるDVT検診と同様に検診を2カ所で行った。研究結果:平成23年11月5日に横浜市栄区で一般住民を対象にDVT検診を227人に行い、心筋梗塞などで1ヶ月以内に入院歴のある方を除くとDVT頻度は2.2%であった。また平成24年3月25日に栃木県壬生町で一般住民を対象にDVT検診を140人に行った結果2.9%にDVTを認めた。したがって現時点で二つの地域差は多少あるものの、呼びかけて行う一般住民のDVT頻度は2.2-2.9%であると考えられた。考察:東日本大震災3ヶ月以内の避難所では一次避難所から遠隔地避難所までいずれもDVT頻度は10%以上であり、これは本研究結果よりも4-5倍以上高いことが判明し、現時点の避難所ではDVTが増加することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DVT検診は順調に行われているが、東日本大震災の影響で検診回数が少なかった。東日本大震災の避難所では被災者の肺塞栓症予防のため50回以上のDVT検診を行った。そのために本研究での検査回数が少なくなってしまったが人道上仕方がないことである。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に行えなかった検査を今年度に行う予定である。9月22日は新潟県新発田市で、9月28日は横浜市泉区で検診を行うことが決まっている。その他にも複数の市町村での検診を打診中である。一般住民の検診では市町村などの行政の許可と協力が必要である。検診方法は前年度と同様に行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度と同様に検診で使用する消耗品、エコー装置の借用台、新聞などに出す検診告知広告、静脈瘤などの異常が見つかった場合のための弾性ストッキングなどの購入、検査技師の謝金・交通費などに使用する。また前年は検診用エコー装置が足りなくメーカーから借用したが画像データを揃えるためなるべく同じ装置で行うことが望ましいため1台の購入を計画したい。
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