新しいエンドトキシン測定法による敗血症の評価

2013 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 23591863
• Research Institution: Shiga University of Medical Science
• Principal Investigator: 清水 智治 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (70402708)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山本 寛 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (00283557) ; 谷 徹 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20179823) ; 小幡 徹 滋賀医科大学, 医学部, 特任准教授 (80119776) ; 江口 豊 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00263054) ; 田畑 貴久 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90278200) ; 赤堀 浩也 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (10340069) ; 三宅 亨 滋賀医科大学, 医学部, 客員助教 (70581924)
• Keywords: エンドトキシン / 敗血症性ショック / Sepsis

Research Abstract

臨床研究１：敗血症患者でのESPの測定
【目的】Sepsis患者で新しいエンドトキシン測定法としてEndotoxin Laser Scattering photometry（ESP）による血中エンドトキシン値の測定を行い、患者の病態、患者重症度、細菌感染状況による評価と比較検討を行う。【研究成果】敗血症症例でのESP法と循環動態の変動について40症例について解析を行い、敗血症におけるESP法の診断意義を検討した。従来の比濁時間分析法では測定できていなかったエンドトキシンをESPでは測定できていることが判明した。Septic shockおよびSepsisの状態ではESPが比濁時間分析法より有意に診断効率が良いこと、また、現在、細菌感染の補助診断として用いられているプロカルシトニンテストと同等であることが判明した。その内容を英文雑誌に投稿し受理掲載された。
臨床研究２：敗血症性ショック症例でのESPとEAAの評価
【目的】Septic shockを来した症例で経時的にESPとEAAを測定しESPによる血中エンドトキシン値の推移と臨床症状の改善、エンドトキシン吸着療法（PMX）のカラム前後でのエンドトキシン吸着状況を評価、PMXを必要とする患者のエンドトキシンレベルをESPとEAAを対比して評価する。【研究成果】Septic shockにてエンドトキシンの吸着療法を行った患者では、ESP法で測定したエンドトキシン値の低下にともなって臨床症状が改善することを観察した。また、エンドトキシン吸着筒の前後で、エンドトキシン低下が確認された。その内容を英文雑誌に投稿し受理掲載された。PMXを必要とする患者でのEAAとESP法の比較についても症例報告を学会報告し、その内容を日本語論文にて投稿し受理され、掲載予定である。現在、保険適応として臨床で使用されている比濁時間分析法では正確に患者の状態を評価できていないことが明らかになりつつあり、臨床的に意義が高い研究であると考える。

Research Products

• [Journal Article] ステロイド治療中に敗血症性ショックに陥った患者でのEndotoxin Activity AssayとEndotoxin Scattering Photometryの評価 (2014)
  • Author(s): 山口剛、清水智治、小幡 徹、園田寛道、赤堀浩也、三宅 亨、田畑貴久、江口 豊、谷 徹
  • Journal Title: 腹部救急医学会雑誌 Volume: - Pages: 印刷中
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] ETRF/UFの多段化で透析液の微生物学的清浄度は向上するか? (2013)
  • Author(s): 大薗英一,小幡徹,井上有紀,本田和美,熊谷拓也,根岸秀樹,市村恭子,岡松健太郎,滝澤英明,野呂瀬嘉彦,高橋めぐみ,清水智治,谷徹,冨岡敏一,坂元仁,土戸哲明:岡松健太郎,滝澤英明,野呂瀬嘉彦,高橋めぐみ
  • Journal Title: 腎と透析 Volume: 75巻別冊 Pages: 139-141
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] 高感度エンドトキシン測定ESP法を用いた透析液のエンドトキシン測定と培養検査の多施設比較 (2013)
  • Author(s): 小幡徹,清水智治,谷徹,上村優介,清水洋一,中澤了一,柏原英彦,森戸勝,佐藤寿加,井上均,木次谷隆公,市川正人,竹内一郎,吉岡豊一,吉田和彦
  • Journal Title: 腎と透析 Volume: 75巻別冊 Pages: 122-124
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Diagnostic potential of endotoxin scattering photometry for sepsis and septic shock. (2013)
  • Author(s): Shimizu T, Obata T, Sonoda H, Akabori H, Miyake T, Yamamoto H, Tabata T, Eguchi Y, Tani T.
  • Journal Title: Shock Volume: 40(6) Pages: 504-511
  • DOI: 10.1097/SHK.0000000000000056.
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] The ability of endotoxin adsorption during a longer duration of direct hemoperfusion with a polymyxin B-immobilized fiber column in patients with septic shock. (2013)
  • Author(s): Shimizu T, Obata T, Sonoda H, Akabori H, Tabata T, Eguchi Y, Endo Y, Tani T.
  • Journal Title: Transfus Apher Sci Volume: 49(3) Pages: 499-503
  • DOI: 10.1016/j.transci.2013.04.042.
  • Peer Reviewed
• [Presentation] 腹部救急疾患での新しいエンドトキシン測定法（Endotoxin Scattering photometry; ESP法）による重症度評価の可能性 (2014)
  • Author(s): 清水智治、小幡 徹、園田寛道、太田裕之、山口剛、赤堀浩也、遠藤善裕、仲 成幸、田畑貴久、江口 豊、谷 徹
  • Organizer: 第50回日本腹部救急医学会総会
  • Place of Presentation: 東京
  • Year and Date: 20140306-20140307
  • Invited
• [Presentation] 潰瘍性大腸炎大腸穿孔症例でのEndotoxin Activity Assayに関する検討 (2014)
  • Author(s): 山口剛、清水智治、小幡徹、園田寛道、太田裕之、赤堀浩也、遠藤善裕、仲成幸、田畑貴久、江口豊、谷徹
  • Organizer: 第50回日本腹部救急医学会総会
  • Place of Presentation: 東京
  • Year and Date: 20140306-07
• [Presentation] Endotoxin Scattering Photometry（ESP法）でのエンドトキシン測定 (2013)
  • Author(s): 清水 智治、小幡 徹、園田 寛道、太田 裕之、山口 剛、 赤堀 浩也、遠藤 善裕、田畑 貴久、江口 豊、谷 徹
  • Organizer: 第19回日本エンドトキシン・自然免疫研究会
  • Place of Presentation: 大津
  • Year and Date: 20131206-20131207
• [Presentation] ndotoxin Scattering Photometry（ESP）法の敗血症診断能とPMX治療での変動 (2013)
  • Author(s): 清水智治、小幡 徹、赤堀浩也、吉岡豊一、森 毅、遠藤善裕、田畑貴久、江口 豊、谷 徹
  • Organizer: 第34回 日本アフェレシス学会学術大会
  • Place of Presentation: 軽井沢
  • Year and Date: 20131101-20131103
  • Invited
• [Presentation] 敗血症性ショック症例でのEAAとESP法の比較
  • Author(s): 清水智治、小幡 徹、赤堀浩也、園田寛道、森 毅、山本 寛、 遠藤善裕、仲 成幸、江口 豊、田畑貴久、谷 徹
  • Organizer: 第28回 日本Shock学会総会
  • Place of Presentation: 東京