2011 Fiscal Year Research-status Report
組織工学と幹細胞研究を融合させた新規自己細胞由来人工血管による再生医療
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23591867
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
蒲原 啓司 佐賀大学, 医学部, 講師 (70555086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 茂樹 佐賀大学, 医学部, 教授 (70243938)
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
中山 功一 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50420609)
野口 亮 佐賀大学, 医学部, 助教 (70530187)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 再生医療 / 血管外科 / 人工血管 / 組織工学 |
Research Abstract |
我々の構造体はiPS細胞などの幹細胞から分化させた細胞ソース(血管平滑筋細胞、血管内皮細胞等)のみで生体内での挙動を再現できる血管構造体にする必要があるため、先行する幹細胞研究等を参考にし平滑筋細胞、血管内皮細胞等の効率的分化、大量培養、目的細胞の純化等の条件検討とデータの蓄積を行った。しかし効率や純化手順が完全ではないため、同時進行して、ヒト大動脈血管平滑筋細胞を用いて、500μm程度の細胞凝集体(スフェロイド)を作製しロボットを用いて、内径2mm厚さ400μm、長さ1cmのチューブ用構造体を作製した。さらに、血管平滑筋細胞に内皮細胞などを混合してスフェロイドを作製するとより高機能化する可能性が示唆された。さらに線維芽細胞なども混合されると単独細胞のみで構造体を作るよりはより生体に近いタンパク産生が得られると考え現在条件検討を行っている。平滑筋、内皮細胞混合スフェロイドによる血管を作成、組織学的解析を行った。コラーゲンリッチではあるが、エラスチンに乏しく、弾性が移植には不足すると考え、平滑筋、内皮細胞、線維芽細胞3種混合培養によるスフェロイドをベースとして血管構造体を作製している。現状ではこの3種混合培養によるスフェロイド形成が高機能と判断しており、移植にたる血管作製を行っている。また混合比率、細胞数としては、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、線維芽細胞を10,000:10,000:10,000Cell/スフェロイドとして30000細胞数ベースのスフェロイドを作製するのが現在の最適条件としている。本年度はこの条件で血管を作製し評価していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画書に記載した本年度の計画では幹細胞由来細胞からの構造体構築としていたが、分化手順、純化効率で確立されたものがなく、まずはヒト初代培養細胞を用いて実験を行った。 ヒト細胞での血管構造体は想像より完成度が高く、1年間の成果としては十分であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き先行する発表での平滑筋細胞や血管内皮細胞への分化効率の検討からはじめ、FACS等をもちいて、分化効率、純化効率の検討を行う。ある程度分化、純化効率が得られれば大量培養の検討を行い、幹細胞由来細胞での移植可能な構造体の作成へと実験を進める。同時に、現存するマウス、ヒト等の血管平滑筋や内皮細胞を用いて血管構造体作成のためのBRPシステム自体の機能向上及び構築血管の厚さ、強度の検討等を行う。平成23年度までに、上記の培養条件の最適化を完了させることおよびBRPシステムを用いて内径3mm,厚さ0.5mm、長さ2cm程度の血管を構築することを目標とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ヒト血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、線維芽細胞、マウスES細胞の維持培養のための物品・消耗品購入費、およびヌードラット購入、飼育費に大多数を充てる。国内の総会に1回発表するため10万円程度の旅費を使用する予定である。
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