2013 Fiscal Year Annual Research Report
組織工学と幹細胞研究を融合させた新規自己細胞由来人工血管による再生医療
Project/Area Number |
23591867
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
蒲原 啓司 佐賀大学, 医学部, 講師 (70555086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 茂樹 佐賀大学, 医学部, 教授 (70243938)
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
中山 功一 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50420609)
野口 亮 佐賀大学, 医学部, 助教 (70530187)
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Keywords | 再生医療 / 人工血管 / 人工臓器 |
Research Abstract |
血管外科領域では増加し続ける糖尿病患者、透析患者に対するシャント造設、下肢血行再建等に対し主に人工血管が使用されており、組織工学を利用した抗血栓性、抗感染性などを有した人工血管の開発・実用化は未だ途上の段階である。京都大学山中らが発見したiPS細胞などの幹細胞は血管平滑筋、血管内皮細胞などに分化可能であることが報告されており世界的に研究が進行中である。一方我々は自己の細胞のみで任意の立体細胞構造体を構築する組織工学の新技術を開発しており徐々に国内外の評価を受けつつある。本技術および幹細胞研究を血管再生に応用し、細胞のみで構成した、抗免疫性、抗感染性、抗血栓性等、従来の人工血管では未解決の問題をクリアーする細径人工血管の開発を目的とする。ヒト血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、繊維芽細胞を配合した細胞凝集塊を用いて、血管構造体を構築した。構築した血管構造体は強度が不十分であったため、内外腔を潅流するバイオリアクターを開発し、一定期間潅流培養をすることで、ヌードラット腹部大動脈(口径1~1.5mm)に短期移植可能な血管構造体の作成に成功した。移植前の張力試験や組織学的評価を行いながら、バイオリアクターのより良い還流方法の検討、移植前後の組織学的評価を行った。移植後の病理組織学的検査において、血管構造体の内腔を被覆するvon Willebrand Factor陽性の血管内皮細胞を認めた。生体環境に近いバイオリアクターのさらなる開発により、中大動物において長期開存可能な血管構造体の構築を目指す。血管壁のリモデリング効果、病理組織学的検査、長期の開存性を確認した後に間葉系細胞やiPS細胞などの幹細胞技術を用いた細胞ソースの検討を行いたい。
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Research Products
(3 results)