2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23591869
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山本 栄和 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (10378101)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 裕紀洋 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (50193628)
白石 慎哉 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (50433008)
吉田 守克 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (20508494)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 生体肝移植 / 生体ドナー / 肝予備能解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、SPECT/CT一体型装置を用いて、99mTc-Galactosyl serum albumin (GSA) SPECTとダイナミックCTを撮影し、3D融合画像を作成したものからGSA摂取率を算出し、肝臓の総合的機能評価を行うことである。 初年度は、生体肝移植のドナー候補者20例に対して、術前に3D融合画像からGSA摂取率を算出することが可能であった。算出されたGSA摂取率と病理学的に得られた正常肝、脂肪肝や線維化を有した肝との関係を検討した。ドナー候補者20例中3例は、移植手術施行前で手術に至っておらず、病理学的な検討を行うことが出来なかった。17例は実際に生体肝移植ドナーとして肝切除を施行し、また、手術中に一部肝組織を採取し、病理学的検査を行った。17例中、左葉切除を2例、右葉切除を7例、外側区域切除を8例に行った。GSA摂取率は、手術中に採取した肝の病理学的検討より正常肝ではその算出値は高く、脂肪肝を有する症例で低い傾向にあった。また、軽度線維化を有する症例においてもGSA摂取率は低かった。すべて生体肝移植ドナーとして選定されているため、極度の脂肪肝や線維化を有する症例は認めていない。また、術前に算出されるGSA値が予想残肝域で低ければ、手術後の肝機能に反映されると予想したが、残肝域の容量が十分に確保されている症例では術後の肝機能には大きな影響を及ぼさないことが分かった。 初年度は、大きな問題なく、持続的に症例を積み重ねることが可能であった。上記のようなことより、これまで正常肝と一纏めにしていたドナー肝であれ、GSAの算出によりその中に値にもばらつきが存在することが分かったことは非常に意義深い。さらに今後は症例を積み重ね、GSAにおける一定の基準値(安全値)を設け、その基準値がドナー選定の一助となるように研究を推進していきたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、予定数よりは若干症例数が少なかったが、持続的に検査(SPECT/CTおよび病理学的検査)を行うことができ、GSA値を算出することが出来た。また、その値と病理検査の検討が可能であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度は、ドナーの手術前のGSA摂取率を中心に検査を行った。今後は、生体ドナーの症例は引き続き積み重ね、さらに肝硬変症例(レシピエント)に対する検査数を増やし、より極端な肝予備能低下例のGSAを算出し、線維化の程度とGSA値の相関性を検討する。また、特に初年度で検討したドナーのGSA値の低い症例の術後の肝再生や合併症などの相関を検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
残金は、Tc-99mアシアロ注の一部として使用する予定である。
|
Research Products
(4 results)