2014 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織で内皮化された人工血管、再生小口径動脈の臨床応用
Project/Area Number |
23591878
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
斎藤 聡 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60246551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沼 武司 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (40307559) [Withdrawn]
松村 剛毅 東京女子医科大学, 医学部, 准講師 (20297469)
梅原 伸大 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90349746)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 再生医療 / 生体吸収性素材 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体吸収性素材に従来の人工血管を組合せ、内腔面は自己の組織化を図り、外周は安定した耐圧を得られるハイブリッド人工血管の開発を目的に研究を行ってきた。これまで、吸収期間の長いポリL乳酸の不織布およびフィルムの耐圧を図った生体吸収性素材により実験犬の上行大動脈に移植し、動脈に於いても自己組織化を得ることができた。これらの経験により、素材を導管状とすること、安定して入手可能な素材を用いること、抗血栓性、耐圧性を得られる素材を探求してきた。 人工血管とのハイブリッド化に先立ち、内腔面の内皮化と抗血栓が最も困難であり、その克服が先決と判断したことにより、小口径での内皮化を目的に素材の選択を行った。PGAの不織布(厚み0.15~0.5mm)とLCL フィルムによる内径約3mmのハイブリットポリマーを作成した。組織の埋入が期待できるために不織布を選択し、耐圧および血液の漏出を防止するためにフィルムを外周に巻いた。これを全身麻酔下に動物犬の頚動脈に単純遮断下に埋植した。しかし、1ヶ月後の超音波検査にて血流の確認が得られず、剖検により内腔面の血栓化が観察された。不織布が血栓の形成回避には不適である可能性、2つの素材の結合法、導管璧の被薄化と耐圧性を検証するために様々な素材の構成を検証した、試作品を作成した。導管では血栓化による成否が大きく関与するために、まずはパッチ(約2×1cmの楕円形)で検証を耐圧による懸念のない肺動脈部位で移植実験を行うこととした。結果、内腔面の内皮化および血管平滑筋細胞の増殖が見られ従来の肺動脈の再生組織よりは良い組織増殖が観察された。しかし、サンプルが小さく、パッチ部の組織の約50%退縮が認められ、仮に自己組織化ができたとしても導管化した場合は容易に閉塞すると考えられた。よって、より良い素材を今後も探求することで、目標を達成する予定である。
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