2011 Fiscal Year Research-status Report
膵ランゲルハンス島(膵島)移植における持続冷却潅流装置による膵臓保存に関する研究
Project/Area Number |
23591887
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Research Institution | Clinical research Center, Chiba-East National Hospital, National Hospital Organization |
Principal Investigator |
圷 尚武 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター), その他部局等, その他 (00344979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
剣持 敬 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター), その他部局等, その他 (50215133)
丸山 通広 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター), その他部局等, その他 (40399754)
大月 和宣 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター), その他部局等, その他 (50399755)
伊藤 泰平 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター), その他部局等, その他 (60509701)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 移植 / 膵ランゲルハンス島(膵島) / 臓器保存 / 灌流保存 |
Research Abstract |
本研究は、改正臓器移植法の施行による脳死膵臓移植の増加に伴い、増加が予想される条件の悪いいわゆるマージナルドナーよりの膵ランゲルハンス島(膵島)移植を想定して、LifePort™による新たな持続冷却潅流保存法の有効性を評価し、これを膵島移植に臨床応用し、より安全で効果的な膵島移植を実現することを目的としたものである。本研究の初年度にあたる平成23年度は実験モデルの作成に重点をおいた。まず、障害膵の作成モデルとして、ビーグル犬に30分の温阻血時間を加えた後、In situ machine wash out法にて膵体尾部を摘出するイヌ部分膵移植モデル(浅野ら)を採用した。実験デザインは、LifePort™を用い24時間灌流保存したものをLifePort群、摘出膵をUW液にて24時間単純冷却保存したものをUW群とし、二群間の比較対照実験とした。LifePortの灌流条件は、灌流液として細胞外液組成であるKPS-1液を使用し、灌流圧は10mmHg、灌流温度は4℃、灌流時間は24時間と設定した。また、UW群の保存条件は、UW液を用いた4℃・24時間単純浸漬保存とした。実際の同種膵臓保存実験では、LifePort群において移植後1週間後に血糖値が正常に戻ったのに対して、UW群では血糖値が高値のままであり、LifePort™の有効性が確認された。以上、今年度は、温阻血時間、還流量、灌流圧、保存温度などの実験デザインの設定が完了した。次年度からは実際に設定された条件で障害膵臓の保存を行い、二群間における膵島の分離状態・分離効率(収量評価)と分離膵島の機能評価(内分泌機能評価、病理学的解析)を行い、LifePort™を用いた新たな持続冷却灌流保存法の有効性の有無を確かめてゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成23年度の研究計画の主なものは、実験モデルの作成である。温阻血膵の摘出と実験群の作成である。実験モデルのプロトコールは作成され、温阻血障害膵の摘出はできる状態であり、LifePortによる灌流保存、UWによる浸漬保存の準備も完了しているが、膵島分離装置であるCOBE1994の故障があり、両群からの膵島分離ができていない。以上の研究進行の状態より、研究の進行が遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
実験モデルのプロトコール作成はほぼ完了している状態であり、プロトコールに沿った、障害膵の摘出、LifePortによる灌流保存群、UWによる浸漬保存群にわけた膵臓保存、分離、分離膵島の機能評価を行うことにより、十分に研究を推進することが可能と考えます。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当研究施設には、臓器搬送用持続冷却潅流装置(LifePort™)をはじめ当研究を行うための設備・備品はほぼ完備しており、新たな備品類の必要性はないと考えられる。そこで、プロトコールに沿った実験の遂行(膵島保存、膵島分離、分離膵島の機能評価)にかかる研究費がメインとなると思われる。そのため、実験動物(ビーグル犬)、ディスポ器具や実験試薬などの消耗品にかかる費用に大部分を使用する計画である。また、データが出始める時期であり、学会発表にかかる費用もある程度必要と考えられ、年2回程度の学会費も計上する計画である。
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Research Products
(1 results)