2013 Fiscal Year Annual Research Report
免疫栄養療法による高度侵襲手術に対するリスク軽減のための治療戦略
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23591892
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
古川 勝規 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00400987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 勝 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70166156)
木村 文夫 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (70334208)
大塚 将之 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90334185)
高屋敷 吏 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30456024)
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Keywords | 免疫栄養療法 / immunonutrition / 膵頭十二指腸切除術 / 肝切除 / 胆管癌 / レゾルビン |
Research Abstract |
膵頭十二指腸切除術を対象とした臨床試験は終了した。術前に免疫強化栄養剤を経口摂取した「術前免疫栄養群」は、術前普通食を摂取した「コントロール群」に比べ感染性合併症発生率が有意に低かった。また、術前免疫栄養群は術後エイコサペンタエン酸(EPA)値がコントロール群に比べ有意に高く、血漿プロスタグランディンE2(PGE2)値は有意に低かった。術前免疫栄養群は1型ヘルパーT細胞の転写因子であるT-betの末梢血単核球のmRNAでの発現がコントロール群に比べ有意に高値であった。以上より、膵頭十二指腸切除術に対する術前免疫栄養療法は感染性合併症の発生率を抑える効果が期待できた。また、免疫栄養療法の効果発現にはEPAによるPGE2を介したヘルパーT細胞分化の制御が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。これらの内容は第112回日本外科学会定期学術集会等において報告し、論文はSurgeryに掲載された (Aida T, Furukawa K, et al. Surgery 2014; 155: 124-33)。 閉塞性黄疸を合併した肝葉切除術を対象とした臨床試験も終了した。術前に免疫強化栄養剤を経口摂取した「免疫栄養群」と摂取しなかった「コントロール群」の比較では、免疫栄養群ではコントロール群に比べ感染性合併症発生率が有意に低かった。EPAから代謝される新規脂質メディエーターのレゾルビンE1(RvE1)の検討では、術直後の血漿RvE1は免疫栄養群ではコントロール群に比べ有意に高値であった。術直前の血中EPAは術直後のRvE1と正の相関を認め、術直後のRvE1と血漿IL-6は負の相関を認めた。以上より、免疫栄養療法の抗炎症作用には、EPAから代謝されたRvE1が関与していることが示唆された。これらの内容は第114回日本外科学会定期学術集会等において報告し、現在論文投稿中である。
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Research Products
(11 results)