2011 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子多型・血清バイオマーカーによるエストロゲン依存性乳癌罹患リスクスコアの構築
Project/Area Number |
23591901
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
吉本 信保 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (10551244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 啓子 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70332947)
遠山 竜也 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30315882)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | エストロゲンレセプター陽性乳癌罹患モデル |
Research Abstract |
エストロゲンレセプター(ER)陽性乳癌患者730例と健常者278例を対象とした。疫学因子は、ER陽性乳癌患者は健常者に比べ、閉経前では飲酒歴有(p=0.0550)、喫煙歴有(p=0.0830)の割合が高い傾向にあった。閉経後では授乳した子供の数が有意に少なく(p=0.0012)、body mass index (BMI)が高い傾向(p=0.0550)にあった。一塩基多型は、閉経前ではrs10046(CYP19A1, p=0.016)とrs3803662(TNRC9, p=0.019)が、閉経後ではrs6905370 (ESR1, p=0.033)とrs1042522 (TP53, p=0.045)が、有意差を認めた。血清バイオマーカーは、ER陽性乳癌患者は健常者に比べ、閉経前ではテストステロン(p<0.0001)、プロラクチン(p<0.0001)が有意に高く、閉経後ではエストラジオール(p=0.0005)、テストステロン(p<0.0001)、プロラクチン(p=0.0070)が有意に高かった。マンモグラフィ濃度は差を認めなかった。以上より、日本人女性ER陽性乳癌罹患ベストモデルを構築した。閉経前は、logit{ER(+)}=+0.0362(年齢)+0.499(妊娠回数)-0.124(授乳)+0.110(飲酒)+0.110(CYP19A1 rs10046 CT+TT)-0.00578(CYP19A1 rs10046 CC)+0.811(テストステロン)+0.00337(プロラクチン)+ 0.134 (IGFBP3)となった。閉経後は、logit{ER(+)}=+0.120(年齢)+0.0141(BMI)-0.0195(閉経年齢)-0.198(p53 rs1042522 CC)+0.395(テストステロン)+0.00277(IGF1)となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
9.研究実績の概要の通り、閉経前・閉経後に分けて、疫学因子、遺伝子多型、血清バイオマーカーそれぞれで、日本人におけるエストロゲンレセプター陽性乳癌罹患因子を同定した。これらの結果をもとに、日本人女性におけるエストロゲンレセプター陽性乳癌罹患ベストモデルを閉経前・閉経後それぞれで構築しえた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回構築したエストロゲンレセプター陽性乳癌罹患リスクモデル正確性を別のコホート(エストロゲンレセプター陽性乳癌患者、健常者)を用いてvalidation studyを行い評価をする。このモデルにてエストロゲンレセプター陽性乳癌罹患高危険群とされた健常者に対し、ラロキシフェンの予防効果についての検討を行う。ランダム化第III相試験が必要と考えられ、当院臨床試験倫理委員会申請、臨床試験参加者のリクルート方法、データの集積方法などの準備を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記validation studyの対象となった被験者の、遺伝子多型・血清バイオマーカーの測定に、研究費を使用する。遺伝子多型の解析のための試薬代、外部委託による血清バイオマーカー測定の費用、それぞれに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Genetic and environmental predictors, endogenous hormones and growth factors, and risk of estrogen receptor-positive breast cancer in Japanese women2011
Author(s)
Yoshimoto N, Nishiyama T, Toyama T, Takahashi S, Shiraki N, Sugiura H, Endo Y, Iwasa M, Fujii Y, Yamashita H
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 102
Pages: 2065-72
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Genetic and environmental predictors, endogenous hormones and growth factors, and risk of estrogen receptor-positive breast cancer in Japanese women2011
Author(s)
Yoshimoto N, Nishiyama T, Toyama T, Takahashi S, Shiraki N, Sugiura H, Endo Y, Iwasa M, Fujii Y, Yamashita H.
Organizer
34th Anuual San Antonio Breast Cancer Symopsium
Place of Presentation
San Antonio, Texas, USA
Year and Date
2011年12月9日