2011 Fiscal Year Research-status Report
食道癌に対する相互マシンラーニング法によるHedgehog新規阻害剤の開発
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23591924
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
深谷 昌秀 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (10420382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梛野 正人 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20237564)
横山 幸浩 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80378091)
國料 俊男 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (60378023)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Hedgehog |
Research Abstract |
食道癌の治療成績は化学療法・放射線療法と手術療法の併用により、以前より向上してきた。しかし治療抵抗例も存在し食道癌の治療には限界があり、新たな治療法の開発が必要である。Hedgehogは、微小環境における上皮間葉移行(epithelial-mesenchymal transition:EMT)との関連も報告され、標的分子として注目されている。本研究の目的は相互マシンラーニング法によるHedgehog新規阻害剤の開発およびin vivo細胞株による担癌動物モデルでの機能解析によりHedgehog新規阻害剤の有効性を検討し新規治療法を開発することである。最終目的は、食道癌に対するHedgehog新規阻害剤による新たな癌治療法により治療成績を向上させることである。本年度は小分子化合物の相互マシンラーニング法によるスクリーニングを行い、150種類の候補化合物を選択した。ヒト癌由来細胞株に対して150種類の候補化合物を1mMから10nMまで濃度をかえて投与し、培養後24時間から48時間の増殖能について経時的にMTTアッセイ法にて評価した。同様に細胞死に関してもトリパンブルー色素法にて評価した。その結果、増殖抑制および細胞死を誘導する候補化合物を選択した。選択した候補化合物のうち1種類に関してマウス皮下発癌モデルに対して少量の試験投与を行なった。抗腫瘍効果を認めなかったが、明らかな副作用も認めなかった。抗腫瘍効果を有する新規の小分子化合物の研究開発は新たな癌治療法へと直結する重要な研究である。新規の小分子化合物の作用機序の解明により新たな知見の得られる可能性があり、本研究は意義のある研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度中に予定された小分子化合物の相互マシンラーニング法によるスクリーニングを行い、候補化合物を選択した。選択した候補化合物をヒト癌由来細胞株へと投与し、その増殖能、細胞死誘導能の評価が行い、抗腫瘍効果を有する化合物の同定ができた。1種類ではあるがマウス皮下発癌モデルへの候補化合物の少量の試験投与を行い抗腫瘍効果、副作用の評価まで行えた。In vivo細胞株に関しても倫理委員会での承認が得られ、今後樹立をおこなっていく。以上よりおおむね良好に進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
選択した候補化合物をヒト癌由来細胞株へと投与し、その浸潤能の評価についても行う。癌細胞株へ候補化合物を投与後、DNAアレイ法による網羅的遺伝子解析を行ない、シグナル伝達系を明らかにする。また本年度少量の試験投与を行った候補化合物を通常濃度でマウス皮下発癌モデルへの投与を行い、抗腫瘍効果、副作用について検討する。In vivo細胞株樹立を行い、樹立されたIn vivo細胞株に対して候補化合物を投与し増殖能、浸潤能、細胞死について評価する。パラフィンサンプルを用いた発現解析を行い、Hedgehogの発現量と予後、悪性度等に関して臨床病理学的検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウス皮下発癌モデル作成のためのヌードマウス購入費候補化合物の購入費DNAアレイ法による網羅的遺伝子解析のためのキット購入費増殖能、浸潤能、細胞死の評価のためのキット、試薬など購入費細胞培養のための培地など購入費
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