2012 Fiscal Year Research-status Report
食道癌に対する相互マシンラーニング法によるHedgehog新規阻害剤の開発
Project/Area Number |
23591924
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
深谷 昌秀 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (10420382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梛野 正人 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20237564)
横山 幸浩 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80378091)
國料 俊男 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60378023)
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Keywords | 食道癌 / Hedgehog / 相互マシンラーニング法 |
Research Abstract |
相互マシンラーニング法によるスクリーニングの結果同定した候補化合物に関して、ヒト癌由来細胞株での増殖能、細胞死誘導の検討を継続した。その結果候補化合物による増殖抑制能と細胞死誘導能は濃度依存的であることを明らかにした。 昨年度のマウス皮下発癌モデルへの候補化合物の少量試験投与では抗腫瘍効果を認めなかったため、本年度は候補化合物の投与量を増量し、投与期間も延長し再度抗腫瘍効果の検討を行った。ヒト胆管癌、膵癌のマウス皮下発癌モデルに候補化合物を経口にて週1回で3週連続投与した。いずれの皮下発癌においても候補化合物投与群において腫瘍の増殖抑制効果を認めた。軽度の体重減少を認めたが、候補化合物投与に伴う死亡例などは認めなかった。 切除したヒト癌組織のヌードマウスへの皮下移植によるIn vivo細胞株の樹立をおこなったが、十分に成長しなかった。癌腫を変えヒト膵癌でも同様の検討をおこなったが十分に生着できず樹立できなかった。共同研究施設にIn vivo細胞株の樹立を依頼したところ、大腸癌組織のSCIDマウス皮下への移植により移植後約3ヶ月で生着しIn vivo細胞株が樹立できた。樹立されたIn vivo細胞株に対して候補化合物を投与し増殖能、浸潤能、細胞死について評価を行なうとともに、食道癌においてもあらためてIn vivo細胞株の樹立を行なう。 胆管癌組織のパラフィンサンプルを用いて免疫染色による発現解析を行った。現在Hedgehogの発現量と予後、悪性度等に関しての臨床病理学的検討を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
相互マシンラーニング法によるスクリーニングにて候補化合物を同定しており、ヒト胆管癌、膵癌のマウス皮下発癌モデルでその有効性を確認している。大腸癌でIn vivo細胞株の樹立ができており、食道癌でのIn vivo細胞株の樹立を継続中である。 またHedgehogの免疫染色による発現解析およびHedgehogの発現量と予後、悪性度等に関して臨床病理学的検討を行っている。 一方で候補化合物のDNAアレイ法による網羅的遺伝子解析およびシグナル伝達系の解析が不十分でありやや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
Hedgehog新規阻害剤を食道癌細胞株に導入し、Hedgehogの抑制効果について検討する。増殖能、浸潤能、アポトーシス誘導能などについても明らかにする。 Hedgehog新規阻害剤の基礎的研究として食道癌細胞株へHedgehog新規阻害剤を投与後、DNAアレイ法による網羅的遺伝子解析を行ない、シグナル伝達系を明らかにする。網羅的遺伝子解析に同定されたシグナル伝達系について、発現している遺伝子の抑制等行い、その機能をさらに解明する。 また皮下発癌、腹膜播種、肝転移モデルにHedgehog新規阻害剤を投与し、その効果および副作用を明らかにする。皮下発癌、腹膜播種、肝転移モデルにHedgehogに対する阻害剤を投与し、治療奏功群と治療抵抗群においてDNAアレイ法による網羅的遺伝子解析をおこない、耐性機構を明らかにする
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
候補化合物の購入費 DNAアレイ法による網羅的遺伝子解析のためのキット購入費 増殖能、浸潤能、細胞死の評価のためのキット、試薬など購入費 細胞培養のための培地など購入費
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