2012 Fiscal Year Research-status Report
胃癌腹膜播種形成に関与するエピジェネティック変化の分子機構と治療への応用
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23591926
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
安田 裕美 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60586767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 靖浩 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20324535)
楠 正人 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50192026)
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Keywords | microRNA / エピジェネティック / 消化器癌 |
Research Abstract |
消化器癌(胃癌、大腸癌)の腹膜播種は難治の遠隔転移形式として挙げられ、病勢が進行すると、癌性腹膜炎の状態となり、全身状態は急速に悪化する。近年、抗癌剤の進歩により、消化器癌に対する全身化学療法の効果が期待できる現代さえ、予後不良と言わざるを得ない。遠隔転移は癌細胞の原発腫瘍からの解離,循環系への移行、そして多臓器への接着・増大というステップがあり、この一連の過程において遠隔転移に関わる因子があるが、それらがどの様に関連し成立しているのか、いまだ十分には解明されておらず、この機序解明が新たな治療法の開発に貢献する可能性がある 本年度、遠隔転移は原発巣からの腫瘍の解離(上皮間葉移行:EMT)と遠隔部位の腫瘍形成(間葉上皮移行:MET) によるEMT-MET switchが重要であるという仮説から、EMTの中心的な役割を果たすmiR-200 familyに着目し、同一個体の大腸癌の原発巣、遠隔転移巣における発現を検証した。またこの発現を制御する機構も合わせて検討した。miR-200 family 特にmiR-200cは原発巣に比べ遠隔転移巣で有意に発現が上昇し、この制御機構の一つであるmiR-200cのプロモータ-部位におけるメチル化レベルは遠隔巣にて有意に低下していた。つまり原発巣からの癌細胞の解離ならびに遠隔部位における転移形成にはmiR-200cのメチル化、脱メチル化によるmiR-200cの発現調整とそのtarget 遺伝子のZEB-1発現調整に伴うEMTの重要な因子であるE-cadherinやVimentinの制御によって引き起こされているという新たなメカニズムの証明に至り、これを報告した。次年度はこれをもとに、血液中のmiR-200cの発現を解析し、バイオマーカーとしての意義を検証するために鋭意、実験を計画的に進め、国内外の学会や論文等に精力的に発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究結果では、腹膜播種を中心に遠隔転移を規定するmicroRNAのtargetととして、そのメカニズムの一つとして重要なEMT-METswitchの制御機構にかかわるmicroRNAs(miR-200family)のメチレ-ションを軸とした発現制御のメカニズムを証明してきた。今後の研究の意義は遠隔転移(腹膜播種も含めた)を同定できるバイオマ-カ-としてのmiR-200 familyを評価することである。多数の臨床サンプル(癌組織、正常粘膜、癌患者血清、正常人血清)からのmicroRNAを抽出し、現在miR-200 familyの発現に関して、バリデ-ションを進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、癌患者の血清、正常人の血清ならびに癌組織と正常粘膜からのmicroRNA抽出は終了し、血清においてはmiR-200 familyの発現に関するデ-タは逐次集積中である。この発現結果ならびにバイオマ-カ-としての意義に関しては、バリデ-ション解析終了後に学会、論文等に発表予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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