2013 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌腹膜播種形成に関与するエピジェネティック変化の分子機構と治療への応用
Project/Area Number |
23591926
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
安田 裕美 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60586767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 靖浩 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20324535)
問山 裕二 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00422824)
楠 正人 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50192026)
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Keywords | microRNA / エピジェネティック / 消化器癌 |
Research Abstract |
消化器癌(胃癌、大腸癌)の腹膜播種は難治の遠隔転移形式として挙げられ、病勢が進行すると、癌性腹膜炎の状態となり、全身状態は急速に悪化する。近年、抗癌剤の進歩により、消化器癌に対する全身化学療法の効果が期待できる現代さえ、予後不良と言わざるを得ない。遠隔転移は癌細胞の原発腫瘍からの解離,循環系への移行、そして多臓器への接着・増大というステップがあり、この一連の過程において遠隔転移に関わる因子があるが、それらがどの様に関連し成立しているのか、いまだ十分には解明されておらず、この機序解明が新たな治療法の開発に貢献する可能性がある。 本研究の実績を要約すると、上皮間葉移行に関わるmiR-200cは原発巣に比べ遠隔転移巣で有意に発現が上昇し、miR-200cのプロモータ-部位におけるメチル化レベルは遠隔巣にて有意に低下していた。つまり原発巣からの癌細胞の解離ならびに遠隔部位における転移形成にはmiR-200cのメチル化、脱メチル化によるmiR-200cの発現調整とそのtarget 遺伝子のZEB-1発現制御によって引き起こされているというメカニズムを示した。血清miR-200cレベルは癌患者の進行度とともに有意に高くなり、特に遠隔転移を有する患者で発現が高かった。血清miR-200cは癌患者の予後との関連もあり、独立予後規定因子ならびに再発規定因子でもあった。
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