2012 Fiscal Year Research-status Report
調節性T細胞制御による放射線療法後遠隔転移の抑制法に関する研究
Project/Area Number |
23591935
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
東島 潤 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (30467815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安友 康二 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30333511)
西岡 将規 徳島大学, 大学病院, 助教 (50398020)
池本 哲也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20398019)
高須 千絵 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70582823)
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Keywords | 直腸癌 / 術前放射線治療 / 調節性T細胞 / Foxp3 / Notchシグナル / Delta / Jagged |
Research Abstract |
【目的】直腸癌に対する放射線治療では局所再発は制御されるものの遠隔転移が増加し、結果的には生存率の改善に結びつかないことが指摘されている。放射線治療によって起こる遠隔転移増加のメカニズムおよびその抑制法の開発のため、調節性T細胞、また発癌や癌の進展に関与しているNotchシグナルを中心とした免疫機構に注目して研究を行い、放射線治療の効果向上を目的とする。 【これまでの研究成果】Balb/c ヌードマウスの直腸前壁に切開を加え、後壁に癌細胞(HT-29) 5×106個を移植し、遠隔転移モデルを作成、安定して遠隔転移モデルを作成することが可能となった。 癌細胞移植後7日目から局所放射線治療を開始する群と非照射群を設定、比較検討した。放射線照射群は1.5Gy×5日間で合計7.5Gyを照射した。放射線照射群は非照射群と比較して照射後1,2,3週間後いずれにおいても有意にTumor volumeが小さかった。 PCR測定による腫瘍中Foxp3, Notch1, Jagged1 mRNA発現は両群間で有意差を認めなかった。これまでの検討では有意な免疫学的因子の差を認めていないが、これまで放射線治療による遠隔転移増悪のメカニズム解明とその抑制に関する研究は無く、今後、検討数を増加し、FACS-scan、Western blot 法、免疫組織化学染色等を用いた検討を行い、有用な結果が得られれば、放射線治療成績向上に本研究が大きく寄与する可能性があると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度 1)遠隔転移モデルの作成 2)放射線治療効果判定 平成24年度 3)PCR測定による腫瘍中Foxp3, Notch1, Jagged1 mRNA発現を検討した。 いずれも両群間で有意差を認めなかった。 平成24年終了時点で遠隔転移モデルの作成、放射線治療効果については安定して作成が可能となっている。有意差は出ていないが、腫瘍中の免疫因子の発現も確認でき、以上のことから本研究は順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに作成した遠隔転移モデル、放射線治療モデルを用いて以下の項目を検討予定である。 1) 免疫細胞因子(NK細胞数、Treg細胞数) 2) Treg細胞の分化、生存に必要な因子(Foxp3, IL-2, TGF-β, VEGF) 3) Notch関連因子(リガンド(Delta, Jagged)とターゲット遺伝子(Hes-1, Hes-5, PTα)) 免疫細胞因子はFACS-scanを行い、Treg細胞の分化、生存に必要な因子、Notch関連因子はmRNAをPCRで、タンパクレベルでの測定をWestern blot 法、免疫組織化学染色(抗Delta1,3,4、Jagged1,2 抗体など)で検討する。 局所癌組織、遠隔転移腫瘍組織ならびに局所、遠隔転移周囲の非癌部についても免疫細胞因子を検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度への繰越額は消耗品に使用予定である
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Research Products
(8 results)