2011 Fiscal Year Research-status Report
5-ALA投与後蛍光観察による胃癌手術中の新しいリンパ節転移診断法の開発
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23591944
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中西 正芳 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20516190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大辻 英吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20244600)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 胃癌 / リンパ節転移 / 蛍光診断 |
Research Abstract |
(1)ヒト胃癌細胞株に5-aminolevulinic acid(5-ALA)を投与し、癌細胞内にPpIX蓄積することを確認する事を目的とした。MKN-45に10mMの5-aminolevulinic acid(5-ALA)を投与し、3時間後にPpIXの蛍光を認める事を確認した。また、BALB/cヌードマウスに移植した腫瘍も250mg/kgの5-ALAを静脈注射後で腫瘍にPpIX蓄積による蛍光が検出される事を確認していったところ、投与4時間後から9時間後で腫瘍に高いPpIXの蛍光が検出される事を確認した。(2)5-ALAは内因性の物質であり、また、様々な食品にも含まれる生体にとって安全性の高いアミノ酸である。さらに、脳神経外科領域や泌尿器科領域で臨床応用されているため、臨床応用に向け当院倫理審査委員会の承認を得た。書面による同意を得た、術前にリンパ節転移が疑われる進行胃癌患者10例に対して、術前に5-ALAを内服してもらい切除標本に対して蛍光観察を行った。HE染色による病理診断との比較では、正診率が85%であった。いずれの症例でも明らかな副作用は認めなかった。 今後は症例数を増やし、偽陽性、偽陰性の原因追究と、その解決策を探求していく。さらに、術中に切除する事無くリンパ節転移診断を行う方法を探るため、マウスモデルを用いて検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
5-ALAを投与する事により胃癌細胞株にPpIXが蓄積し、その蛍光を検出することができた。また、マウスモデルを用いて至適投与時間ならびに至適投与量を検討し、マウスでは投与後4時間以降、250mg/kgが良好な結果であることが確認された。さらに、マウスモデルに対する実験のみならず、当院医学倫理委員会で承認され、臨床研究も開始しているため、当初の計画以上に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験では問題にならなかったが、臨床研究では、(1)炎症がある症例のリンパ節は偽陽性となる事がある。その理由はリンパ濾胞へ集積するためである。また、(2)微小転移に関してもヒトでは線維組織による自家蛍光ニマスクされ、PpIXの検出が困難な事がある。 今後は上記(1)に関しては形態により解決可能と考えられる。(2)に関してはlinear unmixingを行う事で解決可能と考える。 マウスリンパ節転移モデルを作製し、術中のライブイメージングにより微小転移診断が切除することなしに可能かを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使用計画として以下の3つに用いる。(1)引き続き胃癌症例に対する臨床試験を行うため、5-ALAなどの試薬代として用いる。(2)マウスリンパ節転移モデルを作製するためのマウス購入費ならびに飼育代、解剖器具などの購入費として用いる。(3)細胞培養用の実験器具ならびに培養用の培養液や試薬購入費として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)