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2012 Fiscal Year Research-status Report

5-ALA投与後蛍光観察による胃癌手術中の新しいリンパ節転移診断法の開発

Research Project

Project/Area Number 23591944
Research InstitutionKyoto Prefectural University of Medicine

Principal Investigator

中西 正芳  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20516190)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大辻 英吾  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20244600)
Keywords胃癌 / リンパ節 / 蛍光診断
Research Abstract

5-ALA(5-アミノレブリン酸)はヘムの前駆体物質であり内因性の物質である。また、様々な食品にも含まれる生体にとって安全性の高いアミノ酸である。EGFPでラベルした癌細胞株を用いたマウスリンパ節転移モデルを作製し、250mg/kgの5-ALAを尾静脈より静脈注射し、転移リンパ節を観察すると、GFPの蛍光を認めるリンパ節にPpIXの蛍光が確認された。
動物実験で5-ALAを用いた蛍光でリンパ節転移診断が可能な事が確認されたことと、5-ALAは脳神経外科領域・泌尿器科領域で臨床応用されていることから、当院倫理審査委員会の承認を得た後、臨床応用を行った。
書面による同意を得た、術前にリンパ節転移が疑われる進行胃癌患者14例に対して、術前に5-ALAを内服してもらい切除標本に対して蛍光観察を行った。HE染色による病理診断との比較では、正診率が84%であった。いずれの症例でも明らかな副作用は認めなかった。
偽陽性の原因としてはリンパ濾胞への集積が考えられた。リンパ濾胞はリンパ節の周囲に均等に並んでおり、また正円から楕円形であることよりその形態を加味すると、正診率92.4%となった。また、PpIXの蛍光は635nmにピークを有する赤色の蛍光であるため、R/(R+G+B)ratioを測定することで客観的な値を測定した。切除したリンパ節の蛍光画像を用いてR/(R+G+B)ratioを測定すると、転移リンパ節は優位に非転移リンパ節と比較し高値を示した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

5-ALAを投与する事により癌細胞株にPpIXが蓄積し、その蛍光を検出することができた。EGFPをラベルした癌細胞株をマウスに移植し、リンパ節転移モデルを作製すると、GFPの蛍光とPpIXの蛍光が一致する事が確認された。また、マウスモデルを用いて至適投与時間ならびに至適投与量を検討し、マウスでは投与後4時間以降、250㎎/kgが良好な結果であることが確認された。
マウスモデルで5-ALAを用いたリンパ節転移診断が簡便な方法ながら高い診断脳を有する事が確認された。この結果により臨床応用することとした。当院医学倫理審査委員会で承認された後、臨床研究も開始し、現在14例の症例に施行した。非転移リンパ節であってもリンパ濾胞にPpIXが集積する症例があったが、その形態により高い診断能を有する事が確認された。
当初の計画では、マウスに対する動物実験のみ行う予定であたったが、臨床応用を開始し、その問題点と改善点を検討している点で計画時より進展しているものと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

動物実験では問題にならなかったが、実臨床では癌のヘテロゲナイティーにより、転移リンパ節での蛍光診断は100%とはならなかった。通常の蛍光観察のみでは正診率が84%であり、リンパ濾胞の形態を加味すると94.2%まで改善した。しかし、症例によっては蛍光強度が異なり、また、コラーゲン線維、脂肪組織などの自家蛍光によりPpIXの蛍光を視認する事が困難な事がある。
そこで今後は、さらに症例を蓄積し、高感度CCDカメラを導入し、微小リンパ節転移診断の可能性についても検討する。Linear unmixing等を行う事で、その自家蛍光を取り除き、PpIXの蛍光のみを画像化できるように試みる。また、蛍光スペクトルを測定し、PpIX由来の蛍光と判断することでその診断能を高めることを目指す。微小リンパ節転移に関しては、通常のHE染色では診断困難となる可能性があり、RT-PCRも同時に行いその診断率を検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

上記改善策を行うために研究費を要する。
その内訳は、新たな光学機器の設定に必要なマウスの購入代ならびに飼育代、細胞株に対する培養液・試薬代、5-ALAなどの試薬に用いる。また、光学機器の備品・実験器具の購入代として用いる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 2012

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] リンパ節転移の高感度検出を目指した新しい迅速診断法の開発2013

    • Author(s)
      小泉範明、中西正芳、大辻英吾ら
    • Organizer
      日本胃癌学会
    • Place of Presentation
      大阪
    • Year and Date
      20130227-20130301
  • [Presentation] 新たな胃癌リンパ節転移の迅速診断法としての5-ALAの有用性2012

    • Author(s)
      小泉範明、中西正芳、大辻英吾ら
    • Organizer
      日本癌治療学会学術集会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      20121025-20121027

URL: 

Published: 2014-07-24  

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