2013 Fiscal Year Annual Research Report
5-ALA投与後蛍光観察による胃癌手術中の新しいリンパ節転移診断法の開発
Project/Area Number |
23591944
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中西 正芳 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20516190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大辻 英吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20244600)
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Keywords | 消化器外科学 / 胃十二指腸外科学 |
Research Abstract |
5-ALA(5-アミノレブリン酸)はヘムの前駆体物質で内因性のアミノ酸である。また、 様々な食品にも含まれる安全性の高い物質である。これを投与すると癌細胞内で蛍光物質であるプロトポルフィリンIX(PpIX)に代謝され蓄積する。 EGFPでラベルしたヒト胃癌細胞株MKN-45 を用いた胃癌リンパ節転移モデルを作製し、5-ALAを尾静脈より250mg/kg投与し、4時間後に観察すると転移リンパ節でのEGFPの蛍光を認める部位に一致してPpIXの蛍光を認めた。HE染色を行うと転移である事も確認できた。 5-ALAは脳外科領域や泌尿器科領域で、臨床応用され、また、脳グリオーマに対する術中診断薬として薬事承認された。そこで、本学倫理審査委員会の承認後、胃癌患者に術前に20mg/kgの5-ALAを内服してもらい、切除標本に対する蛍光リンパ節転移診断が有用であるかを病理結果と比較することで検討した。 全14人中144リンパ節を対象とし、蛍光画像によるR/(R+G+B)比で診断した。その結果正診率は92.4%であり、ROC曲線では0.832と高い診断能を有することが分かった。いずれの症例でも明らかな副作用は認めなかった。 転移巣が微小な例やコラーゲン線維が豊富なリンパ節では診断は困難であったり、リンパ濾胞が偽陽性となる症例も認めたが、その形態から診断する事が可能であった。今後はLinear unmixing法でコラーゲンなどの自家蛍光を取り除く事により診断能の向上を検討中である。
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