2013 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌選択的殺細胞効果を強化した新しいウイルス療法の開発
Project/Area Number |
23591946
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
中森 幹人 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10322372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
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Keywords | ウイルス療法 / ヘルペスウイルス / 胃癌 |
Research Abstract |
本年度は、昨年、一昨年の研究実績に基づき、研究を行った。 「研究実績の概要」SOCS-3 (suppuressor of cytokine signaling 3)発現型癌治療用ヘルペスウイルス (T-SOCS-3)の機能解析と、胃癌外科手術切除標本に対する短期培養系を用いたT-SOCS-3の治療効果の可能性について検討することを目的とした。 T-SOCS-3は胃癌細胞株に対して極めて効率の高いウイルス複製能を有することが判明した。これにより複製能増強から誘導される殺細胞効果を認めた。このメカニズムを検討した結果、オートファジー現象を上回る複製能増強による機序が示唆され、STAT3シグナル伝達系の抑制の関与も示唆された。 これを基に、胃癌外科切除標本を用いたモデルにおいても、T-SOCS-3は腫瘍内局注にアッセイ系で高い抗腫瘍効果を誘導することを確認した。 以上、当該年度の研究実績から、癌治療用ヘルペスウイルスの胃癌に対する効果が期待でき、その作用機序からも、胃癌により選択性の高い治療用ヘルペスウイルス開発に応用できると考え、胃癌におけるテロメラーゼ活性の発現に関してのプレリミナリーなスクリーニングを開始している。この基礎的解析が期待できる結果となれば、胃癌選択的癌治療用ヘルペスウイルス開発の幅広い展開が期待できる。
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Research Products
(2 results)