2013 Fiscal Year Annual Research Report
制限増殖型アデノウイルスおよび化学療法剤との併用による消化器癌に対する抗腫瘍効果
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23591951
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
田川 雅敏 千葉県がんセンター(研究所), がん治療開発グループ, 部長 (20171572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 英昭 東邦大学, 医学部, 教授 (20292691)
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Keywords | 食道がん / アデノウイルス / 細胞死 / p53 / 抗腫瘍効果 |
Research Abstract |
本邦における癌の1年間の罹患者数は80万人を超え、死亡者も36万人を越えている。なかでも消化器固形癌はその頻度が高く、死亡者数としても常に上位を占める疾患である。とりわけ手術適応とならない進行癌の場合や、あるいは化学療法が無効になった症例では、ベストサポーティブケアに移行せざるを得ないのが現状である。そこで本研究では、全く異なる概念に立脚し、アデノウイルスの増殖による細胞死の誘導を目的とした。増殖性ウイルスによる遺伝子医薬は、化学療法剤とその作用機序が異なるため、両者の併用も可能であり、この結果これまでの治療法の選択肢の拡大に繋がり、患者のQOL改善にも貢献できると想定される。本研究では、腫瘍融解性ウイルスのファイバー・ノブ領域を従来のタイプ5型より35型に置換したものを作製し、その殺細胞効果が、p53遺伝子発現ウイルス(タイプ5型)によって向上するかどうかを検討した。同じタイプのウイルスを同一標的細胞に感染させると、その感染効率が低下するが、上記置換型のウイルスは、タイプ5型ウイルスと細胞受容体に関して競合することはないため、2種類のウイルスの同時感染が可能である。この結果、動物実験においてタイプ5型でp53遺伝子発現型アデノウイルスは、タイプ35型置換型の腫瘍融解性ウイルスの細胞傷害活性および抗腫瘍効果を増強することが可能であった。ウエスタンブトットによる検討では、p53遺伝子発現ベクターの感染によって、ファイバー置換型ウイルスによって誘導されるp53蛋白のリン酸化を増強していたが、同置換型ウイルスによるウイルス増殖自体はむしろ抑制されていた。
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[Journal Article] Combination of adenoviruses expressing melanoma differentiation-associated gene-7 and chemotherapeutic agents produces enhanced cytotoxicity on esophageal carcinoma.2014
Author(s)
Ma, G., Kawamura, K., Yang, S., Okamoto, S., Li, Q., Namba, M., Shingyoji, M., Tada, Y., Tatsumi, K., Hiroshima, K., Shimada, H. and Tagawa, M.
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Journal Title
Cancer Gene Ther.
Volume: 21
Pages: 31-37
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Enhanced antitumor efficacy of fiber-modified, midkine promoter-regulated oncolytic adenovirus in human malignant mesothelioma2013
Author(s)
Takagi-Kimura, M., Yamano, T., Tamamoto, A., Okamura, N., Okamura, H., Hashimoto-Tamaoki, T., Tagawa, M., Kasahara, N. and Kubo, S.
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Journal Title
Cancer Sci.
Volume: 104
Pages: 1433-1439
DOI
Peer Reviewed
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