2013 Fiscal Year Annual Research Report
小児難治性炎症性腸疾患の病態に関する二光子レーザー顕微鏡リアルタイムイメージング
Project/Area Number |
23591958
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
内田 恵一 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (30293781)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 幹大 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (30422835)
溝口 明 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90181916)
楠 正人 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50192026)
|
Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 二光子レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
GFPマウスに2%DSSを5日間投与し、潰瘍性大腸炎モデルを作成し、DSS投与終了後よりステロイドを投与する個体と、投与しない個体に分け、経日的に二光子レーザー顕微鏡を用いて漿膜側から腸管壁の全層を観察した。白血球に関しては、7日目に増加した炎症細胞浸潤がステロイド投与群が非投与群に比して早く消褪していた。二光子レーザー顕微鏡での観察では、cryptのmiddle portionでは。DSS投与前には白血球が1視野平均7個であったものが、DSS7日目には白血球が1視野に平均58個に増加していた。また、同部位の白血球の推移をステロイド投与群と非投与群で比較すると、DSS投与開始後14日目と28日目に投与群が非投与群より白血球数は減少していた。 次に、白血球のrollingなどの動きをよりダイナミックな状態で観察するため、GPFマウスの腹腔内に致死量のLPSを注入し、継時的に盲腸壁の微小循環を観察した。2光子レーザー顕微鏡の深部イメージの獲得という利点を活かして同一個体で盲腸壁の漿膜面から粘膜面までを同時間帯で観察し、記録と解析を行った。 LPS投与により、急性期には毛細血管還流後のpost capillary venuleにおいてのみ、白血球・血小板・血管内皮による相互作用でこれらの複合体が形成されていくことが判明したが、毛細血管レベルではこれらの複合体形成は全く認められなかった。 さらに同部位のpost capillary venuleにおける白血球のrolling数や速度、血流速度や血管壁に与えるshear forceなどについても測定を行い、毛細血管レベルよりもpost capillary venuleにおいて、より早期にダイナミックな変化が発生していることが判明した。同成果は現在論文作成中である。
|