2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23591963
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 伸明 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50526910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 清 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30346564)
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Keywords | HMGB1 / NKG2D / ULBP1 / B7-H3 |
Research Abstract |
High Mobility Group Box 1(以下HMGB1)は核蛋白として自己免疫疾患、急性虚血再灌流障害、心血管疾患やがんにおいて多くの臨床的役割を担うと報告されており、またアポトーシスに陥った細胞からHMGB1が放出され、効果的に抗原提示し細胞障害性T細胞を活性化するといった報告も散見する。近年、化学療法によりToll様受容体(TLR)を通じ、免疫システムを活性化させる際にHigh Mobility Group Box 1(HMGB1)が放出されるというデータをフランスのZitvogelらがマウスで示した。本研究の目的は、切除組織におけるHMGB1の免疫染色を行い、特定の化学療法における抗腫瘍効果を予測するバイオマーカーとして、また再発・予後との関連も明らかにすることである。平成25年度も引き続き胃癌90症例、大腸癌30症例、膵癌10症例等で染色を行い、胃癌においては、癌部のHMGB1の発現の有無が予後との相関があり、多変量解析でも独立した予後予測因子となりえることを確認した。HMGB1に関しては現在論文を執筆中である。それと並行してNKG2D, NKG2DL, B7-H3なども染色しており、複合的な染色強度の発現の組み合わせで、prognostic markerとならないか検討中である。具体的には胃癌患者における単核球のNKG2D発現が良好な予後に関連があった。そのリガンドの一つであるULBP1については、NKG2Dと共に発現しているものが最も予後が良い傾向にあった。一般的には、ULBP1の発現と臨床データとの関連、あるいはそのメカニズムについては未だに不明な点が多いが今回の結果から、ULBP1/NKG2D間は抗腫瘍効果においてPositiveな関係であることが示唆された。今後は、引き続きHMGB1, NKG2D, NKG2DL, B7-H3等を染色し、複合的な染色強度の発現の組み合わせで、prognostic markerとなるか検討を行うとともに、その結果について論文にまとめる予定である。
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Research Products
(1 results)