2012 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌におけるp53およびオートファジー機能解明と治療への応用
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23591966
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮本 裕士 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (80551259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 秀夫 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (20240905)
林 尚子 熊本大学, 医学部附属病院, その他 (20452899)
馬場 祥史 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (20599708)
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Keywords | colorectal cancer / autophagy / p53 |
Research Abstract |
まず、当院における大腸癌診療データベースを充実させるために、対象症例における様々な臨床病理学的因子および治療内容、予後を整理した。次にinvitro実験では化学療法後の大腸癌肝転移切除サンプルを用いてオートファジー関連蛋白の免疫組織染色をさらに症例を増やして行った。昨年から追加した症例も合わせて免疫染色の結果をそれぞれの分子でpositive群、negative群に群わけした。ある分子においてはpositive群ではnegative群に比較し奏効率および病理組織学的判定が低いことが判明した。また免疫染色上、ある分子は大腸癌での発現が著しく低下していた。この分子を発現レベルによって高発現群と低発現群に分けた所、高発現群においてリンパ管浸潤が有意に高いことが判明した。次にinvivo実験としてオートファジー関連分子(ATG5、Beclin-1、LC3)knockdown細胞(HCT116、LS174T、Lovo)をレトロウイルスを用いて作成した。ある分子のオートファジーknockdown細胞阻害大腸癌細胞株に5-FU処理を行ったところ、control細胞と比較して有意に殺細胞効果が増加することが判明した。同様に、クロロキンを用いてオートファジー阻害と5-FU処理を同時に行ったところ、クロロキンにより5-FU の殺細胞効果が増加することが判明した。現在はp53発現とオートファジー誘導により分けられた4つの条件下で抗癌剤(大腸癌化学療法のkey drugであるoxaliplatin、irinotecan、5-FU)処理をそれぞれ行い、前述した方法によるオートファジー誘導の確認と、細胞死アッセイ(MTTアッセイ)、アポトーシスアッセイ(TUNEL染色、活性型カスパーゼ3測定)を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の予定であった細胞死アッセイ及びアポトーシスアッセイが終了しておらず、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
p53野生型細胞・とオートファジー誘導により分けられた4つの条件下で抗癌剤(oxaliplatin、irinotecan、5-FU)処理をそれぞれ行い、細胞死アッセイ(MTTアッセイ)、アポトーシスアッセイ(TUNEL染色、活性型カスパーゼ3測定)を行う予定である。これまで判明した結果と合わせて論文投稿を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)