2013 Fiscal Year Annual Research Report
HSP70mRNA導入樹状細胞を用いた肝細胞癌術後補助療法の開発
Project/Area Number |
23591988
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
爲佐 卓夫 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (30359905)
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Keywords | 肝細胞癌 / 術後補助療法 / 樹状細胞療法 |
Research Abstract |
肝細胞癌術後補助療法としてのHSP70mRNA導入樹状細胞療法の安全性と有効性を証明するために、肝細胞癌術後HSP70mRNA導入樹状細胞療法を用いた第I/II相ランダム化臨床比較試験を計画した。肝切除樹状細胞療法群(DC群)と手術単独群の2群に分けて行った。樹状細胞療法は周術期にHSP70mRNAをエレクトロポレーション法にて樹状細胞に導入し、3x107個を計3回皮下注射した。Primary end pointは1年無再発生存率、Secondary end pointは安全性と全生存率とした。特に最初の9例を第I相試験とし、安全性について検討した。DC群は30例、手術単独群は15例の計45例の登録を目標とした。治療成績ならびに安全性と共に、免疫学的反応の評価を行った。 1.第I/II相試験:登録数は27例。DC群18例、手術単独群9例。第I相試験である9例については施行終了し、肝切除術後における本樹状細胞療法に関する有害事象のないことを確認し、安全性を確認した。現在、DC群に1例再発を認めているが、手術単独群には再発例はない。生存に関しては全例生存中である。 2.免疫反応の評価:(1)肝細胞癌術後補助療法としてのHSP70mRNA導入樹状細胞療法において、免疫学的機能を評価するために、治療前、樹状細胞投与1回目、2回目、3回目のフェレーシス時及び、投与終了1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後にPBMCの表面マーカーを測定した。その結果、CD3, CD4, CD8では治療前後で大きな変化は認めなかった。一方で、CD20, CD56, HLA-DRは治療とともに増加傾向であり、NK細胞やB細胞などの非特異的な免疫反応の増加の可能性が示唆された。 (2)本試験において、HSP70特異的な免疫反応を確認するため、1.と同時期にELISpot assayを行った。その結果、術後(フェレーシス2回目)のspot数は術前と比し減少したがそれ以降、増加傾向となった。このため、HSP70に対する特異的な免疫反応の可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)