2011 Fiscal Year Annual Research Report
レシピエント由来血管内皮幹細胞誘導による生体肝移植後過小グラフト克服
Project/Area Number |
23591991
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
二宮 瑞樹 九州大学, 大学病院, 特任助教 (30546461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
調 憲 九州大学, 大学病院, 講師 (70264025)
武冨 紹信 九州大学, 大学病院, 講師 (70363364)
吉住 朋晴 九州大学, 医学研究院, 准教授 (80363373)
内山 秀昭 九州大学, 大学病院, 特任講師 (70380425)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 過小グラフト / 肝再生 / ARFI / UCP-2 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
音響放射圧により組織硬度判定を行うAcoustic Radiation Force Impulse (ARFI)を用い,生体肝移植ドナー術後の肝再生過程における肝・脾組織硬度の変化を測定し、生体肝移植ドナー19例を右葉ドナー7例と左葉ドナー12例に分け、右葉・左葉肝切除後の再生やうっ血の評価を行った。 術後ドナー残肝の硬度は術後3~9日の間で右葉ドナー群が有意に高値であった。脾臓硬度も術後3日目をピークに上昇し、術後3~14日の間で右葉ドナー群が高値であった。 レシピエント術前の脾臓硬度はレシピエント術中の門脈圧実測値と相関していた。 残肝硬度の上昇は細胞密度の上昇に関連していると考えられ、残肝の小さい右葉ドナー群で術後残肝硬度が高かったことは、類洞内皮細胞に対する肝細胞の比率が高いことを示唆していると考えられる。すなわち、過小グラフト機能不全が術後の肝細胞、類洞内皮細胞の不均衡と関連しているという仮説を示唆するものと考えられた。 脾臓の硬度が門脈圧と相関していたことより、右葉ドナー術後の脾臓硬度が高かったことは小さい残肝の術後で門脈圧がより上昇していたことを示唆する。これは肝細胞・類洞内皮細胞密度の不均衡に伴って肝実質の抵抗が上昇したことによるものであった可能性が考えられる。 UCP-2はエネルギー代謝を調節するミトコンドリア蛋白として知られており、酸化ストレスによる傷害から肝を保護していることが知られている。肝温虚血再潅流後のUCP-2発現をラット70%部分肝温虚血再潅流モデルを用いて検討した。 免疫染色にてUCP-2は虚血再潅流4時間後には肝細胞に発現しているのが認められ、虚血の程度によって発現パターンに差があった。UCP-2の酸化ストレス抑制効果が虚血再潅流傷害抑制に関与していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)