2011 Fiscal Year Research-status Report
胆嚢癌における確証的なリンパ節転移分類法の確立を目指して
Project/Area Number |
23592004
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
坂田 純 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (70447605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 良夫 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50216173)
若井 俊文 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (50372470)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 胆道外科学 / 胆嚢癌 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「胆嚢癌において、リンパ節転移陽性個数とlymph node ratioとのどちらが予後指標として優れているかを検討するとともに、リンパ節微小転移とリンパ節転移個数との関連およびlymph node ratioとの関連からリンパ節微小転移の臨床的意義を明らかにし、新たなリンパ節転移の分類法の確立を目指すこと」である。 本年度は、当科において1982年度から2000年度までに根治切除が施行された胆嚢癌症例の中でインフォームドコンセントにより患者の同意を得ている100症例を対象として、HE染色を行い、症例毎のリンパ節検索個数、リンパ節転移陽性個数、lymph node ratioを算出した。また、CAM5.2を用いた免疫染色を行い、切片を検鏡することによりリンパ節微小転移を検出し、その局在、数、分布を記録した。 来年度以降も本研究を継続することで、「胆嚢癌において、当科のように適正なリンパ節郭清範囲の下でリンパ節の検索個数が多い施設ではリンパ節転移陽性個数の方がlymph node ratioより予後指標として優れていること」および「胆嚢癌におけるリンパ節微小転移は、悪性度の指標であるとともにリンパ節転移陽性個数やlymph node ratioと強い関連を示すこと」を示すことができると考える。さらに、胆嚢癌根治切除症例をリンパ節転移陽性個数、リンパ節微小転移を用いて層別化することが可能となり、補助化学療法に適した患者群の選択ができるようになるとともに、胆嚢癌根治切除の際の適切なリンパ節検索個数を明らかにすることができると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は計画した予定通りに概ね進んでおり、研究目的である「胆嚢癌において、リンパ節転移陽性個数とlymph node ratioとのどちらが予後指標として優れているかを検討するとともに、リンパ節微小転移とリンパ節転移個数との関連およびlymph node ratioとの関連からリンパ節微小転移の臨床的意義を明らかにし、新たなリンパ節転移の分類法の確立を目指すこと」が達成できると現時点では考えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度以降は、当科において2001年から2010年度に根治切除がなされた胆嚢癌の中で患者様のインフォームドコンセントにより患者様の同意を得ている60症例を対象として、前年度と同じ検討を行う予定である。以上で対象例(全160症例)のリンパ節転移に関する組織学的なデータはすべて揃うことになる。 さらに、対象患者の臨床病理学的事項(年齢、性別、胆石の有無、術式、術後化学療法実施の有無、腫瘍径、臨床病期、組織型、組織分化度、リンパ管浸潤、脈管浸潤、神経浸潤など)、転帰(生死、再発の有無、再発部位など)を病歴または患者・家族へのアンケートによって調査する。 以上ですべてのデータが揃うので、それらを整理し統計解析を行い、以下の諸問題について結論を出し、英文論文を執筆してoncology関係の雑誌に投稿する。 1)胆嚢癌根治切除症例におけるリンパ節転移陽性個数およびlymph node ratioのcut-off値の決定、2)胆嚢癌根治切除の際に必要なリンパ節検索個数のcut-off値の決定、3)リンパ節転移陽性個数とlymph node ratioとの予後指標としての比較、4)リンパ節微小転移巣の検出頻度、5)リンパ節微小転移巣検出におけるCAM5.2を用いた免疫染色の有用性、6)リンパ節微小転移とリンパ節転移陽性個数との関連、7)リンパ節微小転移とlymph node ratioとの関連、8)リンパ節陽性個数、lymph node ratio、リンパ節微小転移の有無と再発率・再発部位との関連、9)胆嚢癌根治切除後の補助化学療法の適応、10)リンパ節微小転移は有用な予後因子であるか?
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
胆嚢癌症例におけるCAM5.2を用いた免疫組織化学によるリンパ節微小転移巣の評価を平成24年度以降に60例施行する予定である。それに対して必要な消耗品費(モノクローナル抗体、免疫染色用キット等)は、平成24年度以降が60万円と概算される。 国内旅費として、国内の学会(日本癌学会、日本外科学会、日本消化器外科学会など)において研究調査および当該研究の成果を発表する予定である。外国旅費として、国際学会(International Society of Surgery, Society of Surgical Oncology, International Hepato-Pancreato-Biliary Associationなど)において研究調査および当該研究の成果を発表する予定である。そのため、平成24年度以降が35万円と概算される。 当該研究の成果を英文雑誌に投稿する予定であり、外国語論文の校閲などの費用が必要であるため、平成24年度以降が25万円と概算される。さらに、当該研究の成果を英文雑誌に投稿する予定であり、複写費、印刷費、研究成果投稿料などの費用が必要であるため、平成24年度以降が60万円と概算される。
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