2011 Fiscal Year Research-status Report
尾側膵切除における術前内視鏡的膵管ステント留置術の有用性
Project/Area Number |
23592008
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松本 逸平 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30379408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新関 亮 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60444593)
外山 博近 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 医学研究員 (10444598)
浅利 貞毅 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (20580682)
後藤 直大 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (40580684)
堀 裕一 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (80248004)
具 英成 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40195615)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 膵体尾部切除術 / 膵切除術 / 術後膵液瘻 / 膵管ステント |
Research Abstract |
尾側膵切除術(Distal pancreatectomy: DP)における膵切離断端からの膵液の漏出(膵液瘻)は未だ高頻度(6.3~45.7%)に起こる合併症で、時に重症化する。本研究では尾側膵切除症例における術後膵液瘻低減を目的とした術前内視鏡的膵管ステント留置術(Endoscopic pancreatic stenting: EPS)の有用性を検討する。術前、内視鏡下に膵管にステントを留置することにより、膵管内圧を減圧し、術後膵切離断端からの膵液瘻を最小化し、創傷治癒促進をはかり術後膵液瘻発生の低減、重傷化の防止を期待するものである。 本研究では単アームの2相臨床試験として、3年間でDP35症例に対し術前EPSを施行する。主要評価項目は術後膵液瘻発生頻度および重症度で、副次評価項目は術前EPSの安全性である。膵液瘻の定義および重症度は国際基準であるInternational study group of postoperative pancreatic fistula (ISGPF)の分類を用いて評価する。 平成23年度は6例の患者を登録した。主要評価項目である膵液瘻は3例では発生せず、2例にGrade A(軽症)の膵液瘻が発生したが、臨床上問題となるGrade B, Cの膵液瘻の発生は認めていない。副次評価項目である術前EPSの安全性については5例では全く問題なかったが、1例で膵管ステント留置の際の内視鏡逆行性胆管膵管造影による術後膵炎を併発し、手術の延期を要した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は3年間で35例の症例を集積する予定であるが、当該年度は6例と症例集積が遅れている。膵体尾部切除の対象となる症例のうち、患者年齢や、腫瘍の種類や局在により本研究の対象とならない症例が少なからず存在したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き症例を集積する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使用計画 膵臓を切離する際に使用する自動縫合器および縫合器に装着するカートリッジが、研究費申請の時点で保険適応されておらず消耗品として計上したが、昨年保険収載となった。 一方、本研究の立案のきっかけとなった当施設で行った主膵管近接例における術前内視鏡的膵管ステント留置術の後ろ向き研究が良好な結果を得たので、研究成果発表、論文作成する予定である。
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Research Products
(6 results)