2011 Fiscal Year Research-status Report
臨床応用を目的とした膵癌におけるLipocalin-2の分子生物学的役割の検討
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23592019
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
竹山 廣光 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00216946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 洋一 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40381800)
越智 靖夫 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80453067)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 膵癌 / Lipocaline-2 / 血管新生 / 浸潤 |
Research Abstract |
(1) 臨床検体を用いたLipocaline-2(Lcn2)発現の検討.当科での手術症例の臨床検体を用いてLcn2の免疫染色を行った.予備実験では,膵癌患者と非膵癌患者との間で有意差をもってLcn2発現が膵癌患者に多い傾向であることを確認している. 今後,症例数を増やしてさらに検討する予定である.(2)Lcn2の分子生物学的役割の検討.膵癌細胞株をLcn2強発現株(BxPC-3およびAsPC-1: well to moderate diff.)およびLcn2弱発現株(Panc-1およびMIA PaCa-2: poorly diff.)に分類し,それぞれに対してLcn2抑制株,Lcn2強発現株を樹立した.興味深いことに,高分化で発現が強く,低分化で発現が減弱する傾向にあった.(3)Lcn2の導入または抑制によって,癌細胞が分泌するサイトカイン発現の差異をELISAで検討した.Lcn2の強発現によって,血管新生因子VEGF発現が増強することを認めている.今後,DNA micro arrayおよびcytokine arrayによって他のサイトカイン発現の変化も検討する予定である.(4)分子生物学的特長の比較検討.Lcn2の導入または抑制によって生じる細胞特徴の変化の特徴を,増殖実験(WST-1 assay),接着実験,浸潤実験,で評価検討した.Lcn2強発現株は,Lcn2弱発現株に比べて,増殖,接着,および浸潤能が亢進している傾向を認めた.今後は,Lcn2の下流のシグナルを検討し,その分子生物学的特徴を解明していく予定である.また,血管新生実験を行い,続いてin vivo実験へと進めていく予定である.In vivoモデルは,膵癌同所移植モデルを用いる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Lipocaline-2が膵癌で発現している傾向が高いことを臨床検体を用いて確認できており,その分子生物学的役割も確認できつつある.今後はこれをin vivoに発展させていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
in vivo実験で,Lcn-2の発現により腫瘍が大きくなることを確認する予定である.また,これらの組織を用いて免疫染色を行い,Lcn-2の腫瘍増大効果のメカニズムを検討する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)Lcn2の分子生物学的役割の検討(in vivo)(松尾洋一,高橋広城,竹山廣光)Male athymic NCr nude mice(N=5/group)を用いる.移植する膵癌細胞株はMIA PaCa-2 with/without Lcn2 (stably transduced with luciferase)を用い,移植法はBouvet M et alの報告に従って行う.移植後一週間毎に,IVIS200(Xenogen)を用いて腫瘍サイズの変化を測定する.この手技は確立している.予備実験では,Lcn2の抗腫瘍効果を認めている.(2)Ki-67 analysis(松尾洋一,高橋広城)Formalin-fixed, paraffin-embedded (FFPE) sectionsを抗Ki-67抗体で免疫染色する.Ki-67陽性細胞を計測し(Ki-67 index),両群の腫瘍増殖能を比較検討する.(3)CD31染色(松尾洋一,高橋広城)同様にFFPE切片を抗CD31抗体で免疫染色し,micro vessel densityを計測する.これにより両群間で血管新生能を比較検討する.
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Protein kinase D1 promotes anchorage-independent growth, invasion, and angiogenesis by human pancreatic cancer cells.2011
Author(s)
Ochi N, Tanasanvimon S, Matsuo Y, Tong Z, Sung B, Aggarwal BB, Sinnett-Smith J, Rozengurt E, Guha S.
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Journal Title
J Cell Physiol
Volume: 226
Pages: 1074-1081
Peer Reviewed
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