2013 Fiscal Year Research-status Report
ダイレクトRNAシークエンスとメカノセンサーを用いた糖代謝関連転写因子の機能解析
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23592021
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
土谷 まり子 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (00266826)
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Keywords | 転写因子 / mafA / mafB / c-maf / siRNA / 細胞極性 |
Research Abstract |
AsPC-1 cell line(pancreatic cancer cell line)にmafB siRNAをtransfectしてmafB mRNA を抑制した系で、3次元培養を行い、BiostationCT timelapseで経時観察し、PKCzeta(apical marker), NaK-ATPase(basal marker)を免疫蛍光染色すると、mafB siRNA をtransfectした細胞は、コントロールと比べ、細胞辺縁への発現移行がみられた。細胞の極性形成にmafBの発現が関与している。Na/k ATPaseのtranslocationはCa channel stabilizationやCa concentrationの変化をもたらし、signaling pathway にも影響することが考えられる。 肝におけるbetaKlotho,FGF21,FGF19 の発現とmafの発現の関係を検討したところ、mafA, mafBとFGF19,FGF21でreciprocalな発現変化がみられ、FGFRsやbetaKlothoの発現は大きな変化が見られなかった。betaKlothoはFGF pathway に必須ではなく、intracellular translocationに関わり、transcriptional regulationには関わっていない可能性がある。 腎臓でmafA,mafB,c-mafの免疫染色をするとそれぞれ特異的な分布を示す。糖尿病高血糖マウスで最も発現の変化がみられたのはc-mafであった。IleumにおけるmafBの発現も特徴的で管腔側の上皮であり、極性形成やアポトーシスとの関連を示唆し、腸管上皮のや分化度や位置環境による性質の差を反映する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フレッツテンションセンサーによるテンション測定は、Nikon BiostationCT timelapseによる細胞の経時的観察に切り替えて、可視化することにより定量的な方向を検討している。 ダイレクトシークエンスについては、蛍光プローブによるmRNAの変化の追跡と、cell sortingによる陽性細胞の定量化に切り替えている。
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Strategy for Future Research Activity |
3D-cultureで細胞極性の形成についてbiostationCTである程度経時観察は成功している。今後はRNAプローブによるRNAの動態と抗体染色によるタンパクの発現を、細胞レベルと生体の組織レベルで検討していく。 FGF2はPKCzetaをactivate してその後のcell signal を制御して細胞の分化あるいは自己複製へ方向性を決定づけているとの報告がある。 極性形成とそれに関わる膜の構造性質の維持、FGF細胞内シグナル、細胞間コミュニケーションなど、Klotho/FGF systemとmafのかかわりを検討していく。 in vivo 虚血再灌流の膵では著明なlarge mafの発現増加、細胞ではWNT blockerであるQuercetin付加で、やはり著明な発現上昇がみられる。最近、newborn において高脂質の母乳摂取が、mafAの著明な発現増強を誘導し、isletの構成を変化させる(inslin 陽性細胞が増加)ことが報告された。経口摂取されたものを感知しそれに合わせて組織の構成を変えうる機構がある。Large maf の大きな発現誘導は、(虚血再灌流膵でPDX-1陽性細胞が出現するのと同様に)(newbornでなくても)組織の改変をもたらしうる。現段階ではmafBの発現を中心に検討し細胞の経時観察で可視化することにより、形態変化と発現の変化をすりあわせて検討していく。
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