2013 Fiscal Year Annual Research Report
NKT細胞をベースとした新規抗腫瘍エフェクター細胞の構築と膵臓癌治療への応用
Project/Area Number |
23592022
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Research Institution | 愛知県がんセンター(研究所) |
Principal Investigator |
植村 靖史 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫学部, 主任研究員 (40364781)
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Keywords | 癌 / 外科 / 免疫 |
Research Abstract |
健常人末梢血単核球をα-GalCer刺激してα-GalCer特異的インバリアントNKT (iNKT) 細胞株を樹立した。このiNKT細胞は、CD4+CD8β- (CD4サブセット)とCD4-CD8β- (double negative (DN) サブセット) の2つの主要なサブセットから構成されていた。これにCD8α/β鎖遺伝子、およびがん抗原 (MAGE-A4) 特異的TCRα/β鎖遺伝子を導入した。このiNKT細胞は、導入したがん抗原特異的TCRの他に、α-GalCerを特異的に認識する内因性のインバリアントTCRを保持し、HIVペプチドを負荷したHLA-A24陽性細胞株に細胞傷害性を示さなかったが、がん特異抗原ペプチド (MAGE-A4ペプチド) を負荷したものに対して細胞傷害活性を示した。また、ペプチドの段階希釈により、特にDN iNKT細胞サブセットは強力な細胞傷害活性を示すことが明らかになった。一方、がん抗原特異的TCR発現CD4 iNKT細胞とDCの共培養において、がん特異抗原ペプチド (MAGE-A4ペプチド) を負荷したDCは、IL-12p70を産生しなかったが、α-GalCerを負荷したDCは、野生型のiNKT細胞を用いた場合の5倍以上のIL-12p70を産生した。この観察は、DN iNKT細胞をベースとしたものを用いた場合では認められなかった。がん抗原特異的TCRを発現するCD4 iNKT細胞は、α-GalCer特異的にDCのIL-12p70産生を促進する細胞アジュバントとしての機能に優れ、がん患者に認められる免疫抑制状態を解除しうることが示唆された。以上より、がん抗原特異的TCRを発現するiNKT細胞は、がんに対する細胞傷害活性を示すと共に、DCとの相互作用により強力なアジュバント活性を示し、がんの排除に優れることが明らかになった。
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[Journal Article] An HLA-modified ovarian cancer cell line induced CTL responses specific to an epitope derived from claudin-1 presented by HLA-A*24:02 molecules2013
Author(s)
Kondo S, Demachi-Okamura A, Hirosawa T, Maki H, Fujita M, Uemura Y, Akatsuka Y, Yamamoto E, Shibata K, Ino K, Kikkawa F, Kuzushima K.
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Journal Title
Hum Immunol
Volume: 74
Pages: 1103-1110
DOI
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[Presentation] 多能性幹細胞由来の増殖性ミエロイド細胞を用いたがん免疫療法の開発2013
Author(s)
張エイ, 劉天懿, 千住覚, 廣澤成美, 辻村邦夫, 中西速夫, 薗田精昭, 坂本安, 西村泰治, 葛島清隆, 植村靖史
Organizer
第72回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
パシフィコ横浜(横浜市)
Year and Date
20131003-20131005
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[Presentation] TRAILを発現する多能性幹細胞由来ミエロイド細胞を用いた細胞医薬の開発2013
Author(s)
牧寛之, 植村靖史, 張エイ, 竹田和由, 劉天懿, 鈴木元晴, 都築忍, 岡村文子, 赤塚美樹, 西村泰治, 千住覚, 葛島清隆
Organizer
第72回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
パシフィコ横浜(横浜市)
Year and Date
20131003-20131005