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2012 Fiscal Year Research-status Report

新型SPY-Qシステム心筋血流評価による交感神経刺激心筋保護法の研究

Research Project

Project/Area Number 23592031
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

富田 重之  金沢大学, 大学病院, 助教 (90334771)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 渡邊 剛  金沢大学, 医学系, 教授 (60242492)
Keywords副交感神経刺激 / 心筋酸素代謝 / 心筋血流 / 電気的心筋保護法
Research Abstract

本研究の目的は、迷走神経、肺静脈近傍のGanglion Plexusを電気刺激することで心停止を行ない、その間の心筋酸素代謝を調査し、さらに刺激終了後に、どの程度の心筋再還流障害が生ずるかを研究するものである。実験の成果として、胸部迷走神経を左右別々に20-50Hz、双曲パルス、出力10V、パルス幅0.4msで刺激した場合、25-35Hzの刺激では、完全心停止が得られることが判明、ただし約1分で心拍は徐々に再開(心拍数20-30bpm)し、15分刺激終了後脈拍は直ちに再開し、約1分で術前より40-50%増加した心拍数となり、約5分で術前値の脈拍に復した。血行動態は、刺激中止後、心拍の出現とともに血圧も復帰、約3分で術前血圧に復した。人工心肺下の状態での心筋酸素飽和度は、心拍動時82%が、心停止と同時に90-92%に上昇、心停止後から徐脈となっている15分間は82%以上の値を維持した。
片側のみの迷走神経刺激では、15分間完全心停止は得られないため、上記刺激で1分間ずつ左右交互に刺激を行ない同様な実験を行なった。しかしやはり刺激開始1分後より心拍再開、1分後反対側迷走神経刺激にて再度心停止にはなるが、2-3回の交互刺激後には心停止は得られず、10-20bpmの徐脈を維持する結果となった。血行動態、心筋酸素代謝は片側刺激と有意差は認めなかった。
Ganglion Plexusの刺激実験では、前年度報告したが、個体により安定した心停止が得られず、前回の科学研究テーマでの実験同様、10Hz 以下で心房細動を誘発、さらに高出力40Hz 以上の刺激では、不可逆性の心室細動が誘発され、この損失細動は電気的除細動によっても全く停止せず。完全体外循環下モデルによる、刺激実験でも同様の結果となった。この発生機序に関してはいまだ不明であり、もう少し追加実験が必要である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

電気刺激により心停止が得られることは完全に確認できた。心肺下に15分間の刺激により心筋酸素代謝は低下しないこと、心機能には影響を与えないことも確認された。当初の研究では、30分、60分に及ぶ電気刺激による心停止を予定していたが、現時点の刺激方法では、15分までが限界であり、刺激持続により神経伝達物質枯渇による影響か、刺激によって徐脈、心停止が誘発されないことが解ってきた。これを踏まえ、徐脈作動薬剤を併用による、さらなる心停止時間の延長が可能かを検討する必要がある。

Strategy for Future Research Activity

25年度は、これ以上の刺激による心停止延長は今のところ望めず、さらなる停止時間を得るためには、薬剤を付加した上記補足実験が必要である。しかし現在までに、本実験による心停止時には、心筋酸素代謝が低下しないことは確実で、その結果、心筋機能リカバリーも問題なく、このような電気刺激心停止を、心筋代謝からみた研究はなく、実験結果をまとめるためのある程度のデータは収集できたと考えている。本年度はデータ解析、論文作成を主眼において研究したいと考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

補足追加実験の必要性が発生した為、当初本年度予定していた論文作成や実験結果発表が現時点では困難であると判断した。その為、英文校正費用及び旅費分が未使用額となった。
25年度は、データのまとめ論文作成の費用、補足追加実験のための実験ブタ購入費用、実験結果発表のための旅費として使用する予定である。

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Published: 2014-07-24  

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