2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592044
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
野口 亮 佐賀大学, 医学部, 助教 (70530187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 茂樹 佐賀大学, 医学部, 教授 (70243938)
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
中山 功一 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50420609)
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Keywords | 再生医療 / 心筋再生 / 組織工学 |
Research Abstract |
細胞が自己凝集する機能を利用して、3次元化した機能的立体心筋構造体を作成し、移植しその治療効果を判定する。本研究では、ラット新生児からの初代心筋細胞および、ヒト冠動脈血管内皮細胞、ヒト皮膚繊維芽細胞の3種類を用いて拍動する心筋組織型スフェロイドを作成し、さらに心筋組織型スフェロイドを拍動させたまま融合させ径1cm厚さ0.4-0.8mmの拍動心筋組織を開発した。 最終年度は、作成した細胞のみで構築された心筋構造体を、ヌードラットに移植するデータを重ねた。冠動脈前下行枝を結紮し、急性心筋梗塞を作成後に、直径1cmの拍動する心筋構造体を移植した。最長期間1年で、心機能や生存状況などを、コントロール群と未治療群で比較した。 移植群では、全観察期間において、EF(左室駆出率)、FS(左室短縮率)、LVDd(拡張期左室系)が、未治療群において改善していた。組織学的評価では4週間程度の中期観察群では、移植したグラフトは左室前面に生着し、肉眼的にもその存在が確認できた。構造体内部には新生血管を認めた。 長期観察群でも、心エコーの評価では未治療群と比較し、心機能の改善を認めた。組織学的評価では、血管新生はあるものの、グラフトは脂肪髄様の組織になっており、明らかなグラフトの残存心筋は確認できなかった。ただし、グラフト表面には肉眼でも確認できる程度の血管新生や中口径のグラフトが確認できた。 結果として、本研究にて、細胞だけで3次元的な心筋組織グラフト作成し、疾患モデル(心筋梗塞モデル)に移植することで心機能の改善を認めた。残存心筋が長期モデルで少ないことを考えると、心機能改善効果は、移植心筋による力学的なものでなく、サイトカインや細胞間シグナルを介した作用の可能性が高いと考察した。
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Research Products
(3 results)