2012 Fiscal Year Research-status Report
早期手術及び予防を目指した大動脈瘤発生における責任遺伝子の臨床的解析
Project/Area Number |
23592045
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
益田 宗孝 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10190365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 直通 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80325638)
鈴木 伸一 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (90285130)
井元 清隆 横浜市立大学, 市民総合医療センター, 教授 (40203335)
内田 敬二 横浜市立大学, 市民総合医療センター, 准教授 (50275062)
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Keywords | 大動脈瘤 / 遺伝子解析 / シーケンス |
Research Abstract |
本研究の目的は解離性大動脈瘤および真性大動脈瘤を高い確率で惹起するメンデル遺伝性疾患の責任遺伝子群の異常を解析し、遺伝子型と臨床症状(瘤化、解離や瘤破裂)の相関を明らかにすることを目的としている。 症例集積においては、横浜市立大学付属病院と横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センターにおいて行い現在までに約100人分の試料を集積している。遺伝子解析ではメンデル遺伝性疾患としての解析・解釈を行い、解離性大動脈瘤の要因となりうる遺伝性疾患の解析対象集団における遺伝的寄与度を検討した。対象遺伝子はMarfan症候群、Loeys-Dietz症候群、Ehlers-Danlos症候群、家族性胸部大動脈瘤・解離、真性大動脈瘤に関連するとされているFBN1、TGFBR1、GFBR2、COL3A1、PLOD1、MYH11、ACTA2、GLUT10の8遺伝子である。 これらの遺伝子を網羅的に解析するAffymetrixリーシーケンスチップを開発し、このチップを用いる事で搭載遺伝子の変異が迅速・網羅的に解析する事が可能となった。 現在までに50人の大動脈瘤患者におけるChip解析とシークエンサーによる確認が終了しており、15人からデータベースに登録されていない20例の塩基変異を検出している。この一部で、Ehlers-Danlos症候群の原因遺伝子COL3A1や家族性胸部大動脈解離の原因遺伝子MYH1とACTA2における明らかな病的遺伝子異常を同定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに50人の大動脈瘤患者におけるChip解析とシークエンサーによる確認が終了しており、15人からデータベースに登録されていない20例の塩基変異を検出している。この一部で、Ehlers-Danlos症候群の原因遺伝子COL3A1や家族性胸部大動脈解離の原因遺伝子MYH1とACTA2における明らかな病的遺伝子異常を同定している。これらについて下記の発表を行うことができている。 論文:鈴木伸一,益田宗孝:特集.大動脈疾患の最新知見.大動脈解離の外科治療(1)A型解離(冠動脈潅流生涯、脳潅流障害合併).最新医学,66(7)1610-1619,2011.
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策) I: 症例集積を継続、 II: 研究体制と研究者間の連携、 III: メンデル遺伝性疾患としての解析・解釈、IV: リスク評価を継続しさらに最終年度としての研究総括を行う。大動脈の瘤形成に関わるリスク因子・関連遺伝子変異および多型情報から大動脈瘤のなりやすさを予測し、発症前予防の検討、手術適応を含めた治療への展開を探索する。 Affymetrixリーシーケンスチップ購入、人件費、学会発表および論文発表の費用に使用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
横浜市立大学附属病院と横浜市立大学附属市民総合医療センター 心臓血管センターにおいて、引き続き症例の集積・解析が必要なため、研究費を繰り越した。 繰り越された研究費は引き続きAffymetrixリーシーケンスチップ購入、人件費、学会発表および論文発表の費用に使用する。
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