2011 Fiscal Year Research-status Report
ダブル・ポテンシャル・マッピング法:伝導ブロックの新しい検証法の開発
Project/Area Number |
23592050
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
新田 隆 日本医科大学, 医学部, 教授 (40256954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 庸介 日本医科大学, 医学部, 講師 (10307895)
坂本 俊一郎 日本医科大学, 医学部, 助教 (50398872)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 高周波アブレーション / ダブルポテンシャル |
Research Abstract |
方法:雑種成犬7頭を対象とし、双極高周波アブレーションデバイスを用いて右心房と左心房の側壁に意図的に非連続性焼灼線を作製した。非連続性焼灼は、アブレーションデバイスの先端から10mmの部位に幅3mmのテープを巻いて作製した。焼灼5分、10分、20分、30分後にダブルポテンシャル記録用の双極電極(11極、陰陽極間距離10mm、電極間距離3mm)と多極電極(45極、電極間距離10mm)とを組み合わせた電極パッチを用いて、心房ペーシング中の心房電位を記録した。ダブルポテンシャル記録用の双極電極は焼灼線を跨ぐ様に配置し、同心状電極は心房自由壁全体に配置した。ペーシング頻度は300ms, 250ms, 200ms, 150msで記録した。ダブルポテンシャル波形を微分し、最大微分値と最小微分値が得られる時間をもってそれぞれ焼灼線を挟んだ部位の局所興奮時間とし、対側の最早期興奮部位から不完全焼灼部位を同定した。結果:ダブルポテンシャルマッピング法で同定された不完全焼灼部位は多極電極から描画された興奮伝播図と一致し、マッピング法の空間的精度は電極間距離(3mm)であった。この精度に時間的変化はなく、ペーシング頻度にも影響されなかった。結論:ダブルポテンシャルマッピング法は少ない電極数で、従来の興奮伝播図と同様の空間的精度で線状焼灼の不完全焼灼部位を検出する。体外循環非使用心房細動手術において伝導ブロックの検証に応用される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に記載した初年度の計画は概ね遂行された。
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Strategy for Future Research Activity |
実際に、ダブル・ポテンシャル・マッピング法にて同定された不完全焼灼部に心外膜から高周波焼灼を追加し、全長に渡る完全な伝導ブロックの作製を試みる。ダブル・ポテンシャル・マッピング法にて伝導ブロックが確認されるまで焼灼を繰り返す。実験終了後に焼灼部位の組織学的検討を行ない、全層性かつ連続性の線状壊死巣の作製を確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記実験に必要な器具の購入。研究成果の学会発表と論文作成。
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