2013 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧症治療ターゲットとしての抗酸化ストレス転写因子Nrf2の役割の解明
Project/Area Number |
23592052
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
星川 康 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (90333814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
福本 義弘 東北大学, 医学研究科, 非常勤講師 (70363372)
野田 雅史 東北大学, 大学病院, 講師 (70400356)
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (90323104)
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Keywords | 低酸素 / 肺高血圧 / 肺血管リモデリング / 酸化ストレス / Nrf2 / tenascin-C |
Research Abstract |
平成24年度までの研究で明らかにした長期低酸素曝露による肺血管リモデリングに対するNrf2活性化の抑制効果の機序を検討する目的で、低酸素曝露により最もphenotypeが変化する肺動脈平滑筋細胞の強力な増殖促進作用とapoptosis抑制作用を持ち、かつ酸化ストレスにより発現誘導されることが示唆されている細胞外マトリックスtenascin-C (TN-C) のマウス肺における変化を解析した。野生型 (WT) マウス肺TN-C遺伝子発現は、低酸素曝露2日後および7日後のいずれにおいても室内飼育マウスに比し有意に高値で、Nrf2活性化剤、oltiprazの慢性投与により、その発現亢進は有意に抑制された。室内飼育あるいは低酸素曝露開始7日後のWTマウス肺の抗TN-C抗体による免疫組織染色の結果、室内飼育マウス肺では、気管支上皮と細気管支レベルの肺動脈の外弾性板にTN-Cの弱い染色性を認めた。低酸素曝露マウス肺では、気管支上皮の染色性は室内飼育マウスと同程度であるが、肺動脈の外弾性板にはより強いTN-Cのシグナルを認めた。Oltipraz投与+低酸素曝露マウス肺では、oltiprazを投与しない低酸素曝露マウス肺に比し肺動脈外弾性板におけるTN-Cのシグナルが弱かった。室内飼育したNrf2欠損マウスおよびNrf2が恒常的に活性化されたKeap1 (Kelch-like ECH associating protein 1, Nrf2の抑制因子)の条件付き欠損 (Keap1f/f) マウス肺におけるTN-C発現パターンは、WTマウス肺と同様であった。低酸素曝露7日後のNrf2欠損マウス肺におけるTN-C発現パターンは低酸素曝露WTと同様で、低酸素曝露7日後のKeap1f/fマウス肺におけるパターンはoltipraz投与低酸素曝露WTマウスと同様であった。低酸素曝露による肺動脈壁肥厚とNrf2活性化よるその抑制の機序にTN-Cの関与が示唆される。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] The nuclear factor erythroid 2-related factor 2 activator oltipraz attenuates chronic hypoxia-induced cardiopulmonary alterations in mice.2013
Author(s)
Eba S, Hoshikawa Y, Moriguchi T, Mitsuishi Y, Satoh H, Ishida K, Watanabe T, Shimizu T, Shimokawa H, Okada Y, Yamamoto M, Kondo T
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Journal Title
Am J Respir Cell Mol Biol
Volume: 49(2
Pages: 324-333
DOI
Peer Reviewed