2013 Fiscal Year Annual Research Report
仮想肺組織量を指標とした、肺切除後のリモデリング“代償性肺成長”の検証
Project/Area Number |
23592054
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
溝渕 輝明 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50569861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 一郎 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40281547)
吉田 成利 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90334200)
坂入 祐一 千葉県がんセンター(研究所), その他部局等, 医員 (30551949)
米谷 卓郎 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00452764)
岩田 剛和 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30586681)
田川 哲三 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90419557)
鈴木 秀海 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60422226)
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Keywords | 再生医療 / 代償性肺成長 / II型肺胞上皮 / 肺癌 / 生体肺移植 / 肺切除 |
Research Abstract |
ヒトでは肺は一般的に再生しない臓器とされるが、動物実験では、肺切除後の残存肺重量・容積・DNA量が肺損失を代償するように回復し代償性肺成長(ELW)と称される。この現象を検証には残存肺切除が必要であるが、同手法はヒトでは使用できないため、CT画像解析ソフトを用いた“仮想肺組織量:Estimated Lung Weight、以下ELW”測定法を開発した。肺切除後、生体にもともと備わっている肺の再生能力を、ELWで詳らかにし、肺再生を起こし易い患者背景を抽出することを目標とする。今まで低肺機能が故に標準治療が受けられなかった肺癌患者の中で、肺機能回復が大きく期待できるのであれば、マージナルな症例に対し手術を提供できると考える。さらに、肺胞組織幹細胞を内包するとされるII型肺胞上皮(AT-II)の気道内移入による肺再生技術を実験動物レベルで、ELWの概念を併用し実証することが可能になれば、将来ヒトへの応用への道が開けると確信する。 2012年臨床呼吸生理に“重喫煙者の慢性閉塞性肺疾患の患者では、肺切除後に有意なELWを示さない”が掲載された。一方、2013年Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgeryに健常成人ドナーの肺葉切除後に代償性肺成長類似の現象が認められることを示した論文が掲載された。また、肺癌の術後肺においても10亜区域以上の切除において、健常成人ほどではないものの代償性肺成長類似の現象を検出可能であり、同論文は2013年Surgery TodayにIn pressとなり、2014年に掲載の予定である。 マウスに左肺全摘を行い、術後継時的に動物CTを撮影し、継時的に肺容積の増大およびELWの増大を認めた。また、肺全摘後の残肺に今後AT-IIを注入すること、すなわちセルソースの追加が代償性肺成長を促進する事を検証したい。
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