2011 Fiscal Year Research-status Report
組織低酸素イメージングを応用した肺癌の悪性度解析ー病理所見との対比
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23592074
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
安楽 真樹 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70598557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野守 裕明 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90146613)
泉 陽太郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90245506)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 62Cu-ATSM PET |
Research Abstract |
本研究では肺癌切除例において、第二世代低酸素トレーサー62Cu-ATSMの集積部位を切除標本における病理組織所見と対比することにより、その集積部位の腫瘍生物学的意義を調べることが目的である。平成23年度に研究に登録された肺癌症例は22症例(23撮像)であった。内訳は男性17例、女性5例である。肺癌組織型別にみると、腺癌8例、扁平上皮癌6例、大細胞神経内分泌癌1例、大細胞癌1例、小細胞癌1例、pleomorphic cancer 1例、腺扁平上皮癌1例、非小細胞肺癌(細胞型記載なし)が3例であった。腫瘍病期はstage IA 2例、IB 4例、IIA 3例、IIB 2例、IIIA 5例、IIIB 1例、非手術症例5例であった。本年度はこれらの症例で、新規トレーサーである62Cu-ATSMと、現在広く使用されているトレーサーであるFDGの腫瘍への集積度(SUVmax)について比較検討を行った。また、肺癌の組織型の違いにより集積度に違いがあるかも検討を行った。病理組織学的な評価はHE染色の他に、低酸素組織で発現されると考えられるhypoxia inducible factor 1 alpha(HIF1 alpha)の免疫染色の準備を進めている。またHE染色所見から、62Cu-ATSMは腫瘍間質が豊富な組織に集積していることが予想されたため、fibroblast growth factorなどの腫瘍間質のマーカーの免疫染色の準備を進めている。肺癌における62Cu-ATSMの生物学特性はほとんど解明されていない。今までの我々の症例における検討では、62Cu-ATSMはFDGとは明らかに集積パターンが異なっており、今後さらに集積パターンや生物学的意義(腫瘍悪性度、患者予後との関連棟も含めて)を詳細に調べることは重要であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例集積は順調に進んでおり、現在は外科切除症例の切除肺検体の病理標本作成、HE染色標本の評価を行っている。病理組織学的検討に用いる各種免疫抗体の選定、また免疫染色のプロトコールの最適化も行っている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、今まで集積した症例を用いてFDGおよびCu(II)-ATSMの集積部位を切除標本における病理組織所見の対比をすすめ解析する。具体的には病理組織標本から免疫染色を用いて細胞増殖、血管新生、低酸素、代謝物トランスポーターに関するマーカーを染色し対応づけることにより、各々の核種の集積部位の腫瘍生物学的意義を問う。細胞増殖、血管新生のマーカーに関しては今後染色プロトコールの最適化などが必要である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞増殖についてはKi67、MIB、血管密度、血管新生についてはCD31、低酸素マーカー染色としてはHIF-1、HIF-2、代謝トランスポーターとして例えばグルコーストランスポーターについてはGlut1、Glut4を染色評価する。低酸素領域付近では上皮間葉系移行(EMT)や幹細胞化が促進されている可能性もあるためこれらの指標も検討する。以上の目的を遂行するため、62Cu-ATSMトレーサーの合成、免疫染色に要する試薬物品等の購入を行う。また研究に共同で当たっている国立がん研究センター東病院との打ち合わせ等を行うため交通費等要する。未使用額の発生は、効率的な物品調達を行った結果であり、翌年度の消耗品購入に充てる予定である。
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