2011 Fiscal Year Research-status Report
悪性胸膜中皮腫における抗IL-6受容体抗体療法の開発
Project/Area Number |
23592077
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
松本 成司 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60412011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 誠紀 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10252438)
近藤 展行 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50402889)
西本 憲弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80273663)
多久和 輝尚 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00412049)
大類 隼人 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50594743)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 |
Research Abstract |
悪性胸膜中皮腫に対するアリムタの効果検討MTT アッセイにてアリムタの腫瘍増殖抑制効果を検討した。悪性胸膜中皮腫細胞株H2052, H211, H28 に対して50nmol~10umol のアリムタを投与した。いずれも濃度依存性に腫瘍の増殖抑制効果を認めた。H28 のアリムタに対する感受性はH211, H2052 に劣っていた。悪性胸膜中皮腫に対すアクテムラ、アリムタ、シスプラチン単剤、または併用の効果検討MTT アッセイにてアリムタのH2052 に対する腫瘍増殖抑制効果を検討した。コントロールに対して、アリムタ10nM, シスプラチン100nM, アクテムラ2mg/ml のそれぞれ単剤投与で25% の増殖抑制を認めた。次にアリムタ10nM,アクテムラ2mg/ml の併用投与では25% の増殖抑制、シスプラチン100nM, アクテムラ2mg/ml の併用投与では37% の増殖抑制を認めた。これはアリムタ10nM, シスプラチン100nM 併用投与と同等の効果であった。最後にアリムタ10nM, シスプラチン100nM, アクテムラ2mg/ml の3剤併用投与では60% の増殖抑制を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画通りに進み、悪性胸膜中皮腫に対するin vitro での抗IL-6 受容体抗体(アクテムラ)の単剤での腫瘍抑制効果を認めた。また、アリムタまたはシスプラチンとの併用効果でも良好な結果が得られ、次のステップ(動物モデルでの検証)に進ための良い経過をたどっている。
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Strategy for Future Research Activity |
悪性胸膜中皮腫細胞株のマウス皮下モデルの確立、マウス皮下モデルを用いた悪性胸膜中皮腫に対すアクテムラ、アリムタ、シスプラチン単剤、または併用の効果検討現在、悪性胸膜中皮腫細胞株のマウス皮下モデルの確立を行っている。5種類の中皮腫細胞株について条件検討を行い、うち数種について皮下腫瘤形成を確認している。前年度、in vitro 上記の良好な結果を得たため、マウス皮下モデルの確立の後、抗腫瘍効果を検証する。アクテムラと他の分子標的薬剤との併用効果悪性胸膜中皮腫においてIL-6 のシグナル遮断によって腫瘍増殖抑制を認めたため、そのシグナル伝達、遮断の行程をウエスタンブロットにて明らかにする。それと同時に他の分子標的薬剤との併用によりそのシグナル伝達、遮断の行程に影響がないかを検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記計画を進めるにあたり、ヌードマウス、試薬(アクテムラ、アリムタ、シスプラチン)の入手、ウエスタンブロットに使用する各種抗体の購入が予定される。
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