2012 Fiscal Year Research-status Report
悪性胸膜中皮腫における抗IL-6受容体抗体療法の開発
Project/Area Number |
23592077
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
松本 成司 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60412011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 誠紀 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10252438)
近藤 展行 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50402889)
西本 憲弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80273663)
多久和 輝尚 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00412049)
大類 隼人 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50594743)
黒田 鮎美 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90642570)
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 |
Research Abstract |
悪性胸膜中皮腫細胞株のマウス皮下モデルの確立 現在保有する悪性胸膜中皮腫細胞株5種類についてそれぞれ 500万個をヌードマウスの皮下に接種し、皮下腫瘍の形成を観察した。そのうちH226 が安定的に皮下腫瘍を形成することを確認出来た。 悪性胸膜中皮腫手術患者の経時的血中サイトカインの測定 悪性胸膜中皮腫患者の血液中IL-6 については高値であり、予後との関連性は報告されている。しかし手術侵襲ストレスおよび術後経時的な変化に関する報告は認められない。 今回、悪性胸膜中皮腫患者に対する手術(胸膜肺全摘術または肺剥皮術)を施行された患者の術前、術後の血中サイトカインの測定を行った。測定したサイトカインは12種類(IL1a, IL1b, IL2, IL5, IL6, IL10, IL12, IL13, Gm-csf, TNFa, G-csf, TGF-b1)をELISA法にて測定した。IL-6 は術後翌日に一過性の上昇を認めたが、術後7日目には低下していた。G-csf は術後翌日に高値を示し、術後7日目にもわずかではあるが高値を認めた。また、TGF-b1 は術前から高値を示し、術後も同様に高値を維持していた。他のサイトカインについては有意な変化は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に悪性胸膜中皮腫に対するin vitro での抗IL-6 受容体抗体(アクテムラ)の単剤での腫瘍抑制効果、およびアリムタまたはシスプラチンとの併用効果でも良好な結果が得られた。本年度はその結果を動物実験で示すための準備として悪性胸膜中皮腫皮下腫瘍を安定的形成することを確認出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
悪性胸膜中皮腫細胞株のマウス皮下モデルを用いた悪性胸膜中皮腫に対すアクテムラ、アリムタ、シスプラチン単剤、または併用の効果検討 in vitro 上記の良好な結果を得たため、安定的なマウス皮下形成を確認出来た細胞株を用いて、抗腫瘍効果を検証する。 アクテムラと他の分子標的薬剤との併用効果 悪性胸膜中皮腫においてIL-6 のシグナル遮断によって腫瘍増殖抑制を認めたため、そのシグナル伝達、遮断の行程をウエスタンブロットにて明らかにする。それと同時に他の分子標的薬剤との併用によりそのシグナル伝達、遮断の行程に影響がないかを検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記計画を進めるにあたり、ヌードマウス、試薬(アクテムラ、アリムタ、シスプラチン) の入手、ウエスタンブロットに使用する各種抗体の購入が予定される。
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